どこまでも曲がっていく
BMWらしいシンプルなスポーティさと初代より高まった質感がいい。機能的なインパネだ。しかし、950万円を超える価格を考えると足りなさも若干ある |
進化を感じさせるのはアクティブステアリングだけでなく、ランフラットタイヤも同様で乗り心地も極上。スポーツサスがどうしても欲しいという人でなければノーマルで十分だ。キレキレなハンドリングを披露し、ロール制御も巧みでタイトコーナーさえ待ち遠しくさせるのに、振動は最小限で驚きのひと言。アウディQ7のエアサスと遜色ない乗り心地も魅力だ。注目のアダプティブドライブは台風が迫る激しい雨中のため、ほとんどドライでは試せなかったものの、旋回能力の高さは十分感じられたし、滝のような雨、川まで出現したコーナー、勾配が続く高速道路でも安心感は絶大だった。ただし、あり余るトルクとパワーで右足は不用意に踏み込めなかったが。バランス的には272PS/32.1kg-mの直6・3.0Lのほうが優れているのではないだろうか。とはいっても355PS/48.5kg-mの余裕のパワー&トルクは、ロングツーリングなどで威力を発揮しそうだし、V8だからといってノーズの重さは感じさせない。
次ページでは居住性について。