モータースポーツ/SUPER GTについて

NSXがSUPER GTから勇退(3ページ目)

NSXがついにレースからも引退する。SUPER GTを今シーズン限りで引退する名車「NSX」の活動の歴史を振り返りつつ、その記録を紹介。さらにメモリアルイベント、今後の車両についても予想する。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

NSXの歴史を支えたドライバーたち

「全日本GT選手権」そして「SUPER GT」を戦ってきたNSXは多くの名ドライバーによってその性能が鍛え上げられ、輝かしい記録を残してきた。
クニさんこと高橋国光氏(中央)。現在は自身もドライブした「RAYBRIG NSX」のチームオーナー兼監督である。
【写真提供:本田技研工業】
参戦初期の功労者として忘れてならないのは、超大ベテランの高橋国光の存在だろう。日本のレース黎明期から2輪ライダーとして活躍し、4輪レースに転向してからはフォーミュラカー、ツーリングカー、スポーツカーなど様々なジャンルで活躍した日本を代表する名ドライバーである。高橋国光はNSXをル・マン24時間レースのGT2クラス優勝へと導き、その優勝はNSXのGT選手権参戦への礎となった。高橋国光は99年まで「RAYBRIG NSX」で参戦を続け、引退する最後の年にも59歳という年齢で優勝を飾っている。

道上龍(みちがみ・りょう)
【写真提供:本田技研工業】
そして、NSXといえば道上龍である。道上にはNSXのイメージがすっかり定着しているが、それもそのはず彼はNSXのGT参戦13年間のうち、12年もの長きに渡ってNSXをドライブし続けているのだ。これだけ長い期間、メーカーの移籍もせずに同じ車種をドライブし続けている選手は珍しく、NSXのGTにおける36勝のうち8勝は彼のドライブによるもの。さらに2000年には未勝利ながらNSXを初のシリーズチャンピオンに導いている。
2000年のチャンピオンマシン、Castrol無限NSX
(Honda Collection Hall)
また、現在は「REAL RACING」のチームオーナーとして「KEIHIN NSX」を走らせている金石勝智も道上と同じく長きに渡ってNSXをドライブしてきた。NSXで3勝をあげ、ドライバーとして第一線を退いてからも開発車両のドライバーとしてNSXのインプルーブに関わってきた影の功労者ともいえる。今年の第6戦、POKKA GTのサードドライバーとしてのドライブを最後にドライバーとしては完全に引退し、今後はチームオーナー業に集中してレースを戦う。
若手のホープ、塚越広大を育てる金石勝智(右)
【写真提供:本田技研工業】
他には2000年には鈴木亜久里と土屋圭市が組んで「ARTA NSX」で戦ったり、元F1ドライバーの中野信治やインディカーで活躍する武藤英紀がNSXをドライブしたこともあった。

さらに現在は他メーカーのマシンで活躍する脇阪寿一、松田次生、伊藤大輔、A・ロッテラー、B・トレルイエ、S・フィリップ、R・ライアンなどのGTを代表するトップドライバーたちは、GTキャリアのスタート地点がNSXのドライバーだったことも忘れてはならない事実である。

次のページではフィナーレを迎えるNSXとホンダのSUPER GTでの活動を予想します。
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