ホンダのフラッグシップ、ついにレースからも引退

鈴鹿に勢ぞろいした今シーズンのSUPER GT用NSX
【写真提供:本田技研工業】
NSXがついにレースからも引退する。NSXは1990年に生産が開始され2005年まで販売されたミッドシップスポーツクーペで、「レースのホンダ」を象徴するフラッグシップモデルとして日本車の中でも最も存在感の大きいスポーツカーであった。

当時、F1のエンジンサプライヤーとして黄金時代を築いていたホンダが世界に通用するスポーツカーとして製作したNSX。レースの世界では、フランスの「ル・マン24時間レース」など海外のスポーツカーレース、GTレースに積極的に参戦し、その性能の高さをアピールしてきた。
懐かしい2003年のNSXの走り
【写真提供:本田技研工業】
そんなNSXが最も輝いた舞台は1996年より参戦を開始した「全日本GT選手権(現在のSUPER GT)」であろう。国内屈指の人気カテゴリーでNSXはそのコーナリング性能を活かし、数々の栄光を勝ち取ってきた。しかし、すでに市販モデルの生産が終了して4年の月日が経過しており、今シーズンをもってNSXは「SUPER GT」から引退することが決まった。

ミッドシップならではのコーナリング性能が特徴だった

NSXが「全日本GT選手権」に本格参戦したのは1997年からである。F1参戦も画策していた名門コンストラクター「童夢」が車体を製作し、本格的なワークス参戦がスタートした。このNSXの参戦により、ニッサン、トヨタ、ホンダの3大国内メーカーのマシンがGT500クラスに出揃い、現在のSUPER GTにつながる「ワークス対決」の構図が出来上がったのである。
2003年のエースマシン、TAKATA童夢NSX
【写真提供:本田技研工業】
ニッサンの「スカイラインGT-R」、トヨタの「スープラ」がFRスポーツカーなのに対して、ホンダの「NSX」はF1などのフォーミュラカーと同じミッドシップのスポーツカー。運動性能だけでもレースベース車両としてはピカイチのものである。

しかし、性能、スペックが大きく異なる各メーカーのフラッグシップマシンが同じ舞台で対決するGT選手権では、「性能調整」により様々な制限が加えられる。特に、NSXはミッドシップというレアイアウトが有利であり、全面投影面積も小さいことから、多くの制限が課せられ、いつでも圧倒的な優位な立場にいるわけではなかった。それでも、ミッドシップの利点を存分に活かしたクイックで芸術的なコーナリングはサーキットに詰めかけた多くのレースファンを魅了し、どれだけ制限が加えられて苦しい年であってもファンはその走りを応援し続けてきたのである。

本格参戦開始から13年間の長きに渡り「全日本GT選手権」「SUPER GT」に参戦を続けたNSXの走りは11月8日(日曜日)に栃木県ツインリンクもてぎで開催される「SUPER GT」の2009年シリーズ最終戦で見納めとなる。