レースのもう一つのハイライト、ピット作業合戦
距離の長いレースではコース上のドライバーの戦いだけでなくピット作業もレースの重要なポイントです。それまでのドライバー(ライダー)の頑張りに「水を差す」とピット作業を嫌うファンの方ももいますが、モータースポーツは運転する人間だけのスポーツではありません。モータースポーツはチーム全員のスタッフが一丸となって戦う「チームスポーツ」です。ピットクルーの素早いピット作業がドライバーを奮起させるのも事実ですし、一方でドライバーが頑張ればピットクルーの士気もあがります。作戦や頑張り次第で一発逆転もあり得るピット作業はレースのもう一つの面白さだと思います。
フォーミュラニッポンのピットイン。ピット作業に関われる人数は決められている。日本のレースでは給油作業中にはタイヤ交換などその他の作業ができない。効率の良い作業も日々の練習から生まれるものだ。 【写真:辻野ヒロシ】 |
【ピットサイン、Pサイン】
ピットウォールでチームのサインマンがボードで出すピットインのサインのこと。外国人に対しては「BOX」というサインを出すことが多い。
【ピットロード】
コースから外れたピットに入る伏線のこと。
【ピット制限速度】
ピットロードを走行する時は必ず制限速度を守らなくてはなりません。レース、サーキットによって制限速度は異なり、マシンにはボタン一つで制限速度以上に速度があがらないようになるシステムが搭載されています。
給油が行われるレースではピットクルーは耐火スーツを着用する。写真は練習走行時のもの。練習走行の際もピット作業シミュレーションが行われる。タイヤ交換はメカニックの腕の見せ所。 【写真:辻野ヒロシ】 |
【スプラッシュアンドゴー Splash And Go】
タイヤ交換をせず、給油のみでピットアウトさせること。アメリカンモータースポーツ用語ながら最近は他のレース中継でも使われる用語。
【トップオフ Topoff】
ガソリンタンクを満タンにすればゴールまで燃料が持つ周回数の時にセーフティーカー等が入った場合、予定スティントより早くピットインさせ燃料を満タンにして最後までノンストップで走り切る作戦のこと。これもアメリカンモータースポーツ用語。
次のページではレース展開をさらに分らなくするセーフティーカーについての専門用語をチェックします。