モータースポーツ/その他のモータースポーツ関連情報

モータースポーツの専門用語(2)(4ページ目)

【モータースポーツ専門用語集Vol.2(レース編)】モータースポーツ初心者の壁となる独特の専門用語を解説。第2回はレース編。レースの形態、レースの最中、ピットイン時の専門用語を解説。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ややこしや~なセーフティーカー

コースにクラッシュしたマシンが留まったり、コース上に大量のオイルが出たりしてレース状態の継続が難しい場合に導入されるのが「セーフティーカー」です。「セーフティーカー」が導入されるとレースは中立状態になり、コース全域で追い越し不可となります。そして先導走行となるので、広がっていた差が一気に縮まってレースはそれまでとは違った展開になります。

「セーフティーカー」の導入に関してはその時のレースコントロール(競技運営団)のその時の判断ですから、どのタイミングで導入され、どのタイミングで作業が終わりリスタートになるのか予想ができません。
レースの行方を左右するセーフティーカー導入。アメリカンモータースポーツから出てきた文化だ。インディカーやNASCARではクラッシュ車両が無くても、コース上にパーツ(デブリ)が落ちているだけでコーション(セーフティーカー導入)となることもある。
【写真:辻野ヒロシ】

【コーション CAUTION】
アメリカンモータースポーツ由来の言葉。「注意して走れ」の意味。

【フルコースコーション】
コース全域がコーション状態であること=セーフティーカー先導

【デブリ debris】
「破片、残骸」の意味。
SUPER GTで導入されている日産GT-Rのセーフティーカー
天井のランプが消えると「次の周にリスタート」の合図だ。
【写真:辻野ヒロシ】
「セーフティーカー」の導入はレース展開を予想だにしない方向にもっていくので、ファンとしては面白いのですが、チームにとっては大変です。セーフティーカーが導入された場合、今まで描いていたシナリオは白紙になるわけですから、そこから瞬時に新しい戦術を立てなくてはなりません。チームの判断力も問われますし、ミスも許されません。

さらにレースを運営する側にとっても大変です。ほとんどの4輪レースでは「セーフティーカー」は現時点でのトップのマシンの直前に付いて先導します。F1やインディなどの全車同一クラスのレースなら問題ありませんが、クラス数の多いレースになると「セーフティーカー」の先導位置が別クラスの位置関係に影響を与えます。

複数のクラスが混走するレースでは「セーフティーカー」の導入が接戦だった展開を台無しにしてしまう可能性もあるのです。GT500とGT300の2クラスが同時に走るSUPER GTでは「セーフティーカー」導入のケースは少なく、不測の事態ならば「赤旗」でレースを中断し、マシンの隊列を整理してからレースを再開させる方式を取ることが多くみられます。

次のページではコース上で出されるフラッグについてご紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます