伝統のインディ500とは?
インディアナポリス500マイルレース(インディ500)はIRLインディカーシリーズの中でも特別なレースだ。1911年に第1回大会が開催された現存する世界で最も歴史の長いレースであり、毎年50万人の観客を集める、とんでもない規模のレースだ。インディ500マイルレース (写真:本田技研工業) |
インディ500は大抵3日間で完結する通常のレースと異なり、およそ1ヶ月間の長きに渡りスケジュールが組まれ、5月末にインディアナ州インディアナポリス・モータースピードウェイ(通称ブリックヤード)で開催される決勝レース200周(1周2.5マイル)でクライマックスを迎える。
女性レーサーで初の快挙!インディ500のトップを走行
ダニカ・パトリックの人気を決定付けたのはデビュー年(05年)のインディ500である。練習・予選が行われる1ヵ月間のスケジュールの中でと速さを見せ、女性ドライバーのインディ500予選・最高位である4番グリッドを獲得した。ブリックヤードを走るダニカ・パトリック (写真:本田技研工業) |
ダニカの活躍で全米のメディアは大騒ぎとなり、他のドライバーの活躍はほとんど報道されなかったという。まさにダニカ・フィーバーとなった2005年のインディ500、決勝レースでさらに彼女は奇跡を起こしてみせた。
彼女は女性ドライバーで初めてインディ500のトップを走ったのだ。
レース序盤は中段を走るも、ピットストップの際にはエンジンが停止するアクシデントに見舞われ順位を落とす。さらには自分のミスでクラッシュし、万事休すかと思われたが、そこから不死鳥のごとくトップまで這い上がってきた。終盤に展開されたダン・ウェルドンとのトップ争いでは、観客を総立ちにさせた。しかし、最後は燃料セーブを強いられ、スピードを落とすことを余儀なくされ、4位完走となった。しかしながら、世界中のファンの目は優勝したウェルドンではなく、ルーキーながら健闘したダニカに向けられていた。
レース展開がドラマチック過ぎた。女性ドライバーがトップを走ったという事実よりも、一人のレースカードライバーとしてダニカ・パトリックの印象は強烈に人々の心に刻まれた。第89回インディ500のRookie Of The Year(新人賞)はダニカ・パトリックに贈られ、彼女は新人ながらにして記録よりも記憶に残るレースカードライバーになったのだ。
次のページでは今年のダニカ・パトリックとその人気ぶりをご紹介します。