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【茨城の絶景】日本三名瀑の1つ「袋田の滝」。紅葉と美しい滝の協奏が見られるベストシーズンはいつ?

日本三名瀑の1つとして知られる袋田の滝。4段の岩壁を川の水が糸のように流れ落ちる美しい滝です。いつ出かけても見応えがある滝ですが、特に秋は周囲を取り巻く紅葉・黄葉が滝の素晴らしさを引き立ててくれます。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

11月に入ると日本列島のあちこちで紅葉・黄葉の便りが届くようになります。今回はそんな中から、茨城県より紅葉の名所として知られる袋田の滝をご紹介します。

日本三名瀑の1つにも数えられる素晴らしい景観を持つ袋田の滝の周辺では美しい紅葉・黄葉を楽しむことができますよ。
袋田の滝(1)/紅葉・黄葉

袋田の滝と紅葉・黄葉(2015年11月7日撮影)

<目次>
 

日本三名瀑の1つに数えられる美しい滝

袋田の滝(2)/紅葉・黄葉

日本三名瀑の一つ、袋田の滝と紅葉・黄葉
袋田の滝は4つの段差を糸がひくように流れ落ちる美しい滝です(2015年11月7日撮影)

袋田の滝Googleマップ)は、茨城県北西部の大子(だいご)町にある滝です。茨城県内を流れて太平洋に注ぐ久慈川の支流、滝川にあり、幅73メートル、長さ120メートルに渡る大きな滝です。 
袋田の滝(5)

袋田の滝トンネルの1番奥にある第1観瀑台。袋田の滝を間近で眺めることができます(2015年11月7日撮影)

袋田の滝の特徴は、大きな岩壁が作り出した4つの段差を川の水がまるで糸をひくように美しく流れ落ちていること。その美しさから日本の滝百選はもちろんのこと、華厳の滝(栃木県)、那智の滝(和歌山県)と共に「日本三名瀑」とまで称されています。

大子町は山間にあることから、冬は特に冷え込みます。そのため袋田の滝を流れる川の水が結氷してしまい、真っ白になるとのこと。
袋田の滝(4)

川の下流にかかるつり橋から見上げた袋田の滝。どの角度から眺めても絵になる滝ですね(2007年11月17日撮影)

そんな袋田の滝ですが、夏の新緑や秋の紅葉との組み合わせの景色も見応えがあります。この地を訪れた歌人、西行法師が「四季に一度ずつ来てみなければ本当の良さがわからない」と褒め称えたことから袋田の滝は「四度の滝」という別名を持っています。この「四度の滝」には、"4段に流れ落ちる滝"という意味も込められているとのことです。
 

トンネルの先に滝と紅葉・黄葉の素晴らしい絶景が

袋田の滝トンネルの入口

袋田の滝トンネルの入口(2015年11月7日撮影)

それでは、袋田の滝を見に行きましょう。

袋田の滝を正面から見ることができる観瀑台は、バス停留所や駐車場のあるエリアから少し歩きます。滝川の上流に向かって右側は川を眺めながら歩ける遊歩道、左側は観瀑台までの近道となる袋田の滝トンネルを通り抜けます。
袋田の滝トンネルと観瀑台の案内図

袋田の滝トンネルと観瀑台の案内図(2015年11月7日撮影)

観瀑台は袋田の滝トンネルの1番奥にあり、川の右側の遊歩道を歩いて来た人も、観瀑台に行くためにはつり橋を渡ってトンネルの中に入る必要があります。
袋田の滝トンネル開口部の紅葉

袋田の滝トンネルの開口部から紅葉を眺める(2015年11月7日撮影)

トンネルの途中には開口部があり、ここからも周囲の紅葉を楽しめます。
袋田の滝(5)

袋田の滝トンネルの1番奥にある第1観瀑台。袋田の滝を間近で眺めることができます(2015年11月7日撮影)

観瀑台を含めたトンネル内は有料エリアになりますが、観瀑台から正面に望む袋田の滝の美しさは必見です。 
第2観瀑台へ向かうエレベーター

第2観瀑台へ向かうエレベーター。混雑期は乗車するまで長い時間待つこともあります(2015年11月7日撮影)

長らくの間、観瀑台はトンネルの1番奥にある第1観瀑台のみでしたが、2008年に新たな観瀑台として第2観瀑台が完成しました。

第2観瀑台は第1観瀑台より44メートル上に位置しており、トンネルの奥にある2台のエレベーターに乗って向かいます。
袋田の滝(6)

第2観瀑台から見下ろす袋田の滝と紅葉・黄葉(2015年11月7日撮影)

第2観瀑台からは、第1観瀑台から見えなかった滝の1番上の段を含めて、袋田の滝の全景を見下ろすことが可能になりました。

エレベーターへの乗り降りが必要なため、混雑期は上り下り共に乗車待ちの長い行列が発生します。また第1観瀑台はトンネル内を歩くだけで見に行けますが、混雑期は滝が見える部分に人が集まりますので、滝の観覧には多少時間の余裕をもった方が良いでしょう。
 

紅葉・黄葉が美しい袋田の滝の周辺

袋田の滝周辺の紅葉(1)

袋田の滝周辺で見かけた紅葉。周囲の山々も色づいていることがわかります(2007年11月17日撮影)

袋田の滝とその周辺は例年11月上旬から中旬にかけて、美しい紅葉・黄葉に彩られます。
袋田の滝周辺の紅葉(2)

袋田の滝トンネルへ向かう遊歩道の木々も美しく色づいています(2007年11月17日撮影)

バス停留所や駐車場から観瀑台に行くまでの遊歩道の木々が美しく色づいていますので、のんびりと散策を楽しめます。

もちろん観瀑台からは、先の写真でも紹介したとおり、袋田の滝と周囲の紅葉・黄葉の組み合わせを楽しむことが可能ですよ。 
袋田の滝(7)/紅葉・黄葉

滝川沿いの遊歩道から眺める袋田の滝。紅葉・黄葉との組み合わせも楽しめます(2015年11月7日撮影)

袋田の滝トンネルの反対側の川岸を歩く遊歩道からは、袋田の滝を遠くに見ることができます。

トンネルを抜けて観瀑台に向かうコースでは、いきなり滝が目の前に現れるという感動を体験できますが、トンネルと反対側の川岸の遊歩道からのアプローチでは、少しずつ滝が近づいていく……という景色の変化を楽しむことができます。
袋田の滝(8)/紅葉・黄葉

つり橋から第1観瀑台と袋田の滝の紅葉・黄葉をセットで望む(2015年11月7日撮影)

どちらかお好きな方を選んで観瀑台に向かってみてください。
 

健脚の方にお勧め、月居山ハイキングコース

袋田の滝(9)/紅葉・黄葉

袋田の滝の最上段と紅葉・黄葉。月居山ハイキングコースの途中から楽しめます(2007年11月17日撮影)

第2観瀑台より、袋田の滝の最上段を見ることが可能になりましたが、この他にも袋田の滝の最上段を間近で見る方法があります。

その方法とは、袋田の滝の近くからコースが始まる月居山(つきおれさん)ハイキングコースを歩くこと。
袋田の滝周辺の紅葉(3)/月居山ハイキングコース

月居山ハイキングコースから楽しめる紅葉・黄葉。健脚の方におすすめのコースです(2007年11月17日撮影)

最初は急な鉄製の階段を百段以上登り、その後も足下の悪い急な山道を一気に登っていく健脚向きのハイキングコースなのですが、山を登ること約20分ほどで美しい紅葉・黄葉に囲まれた袋田の滝の最上段を見ることができます。 
袋田の滝周辺の紅葉(4)/生瀬の滝

月居山ハイキングコースの奥にある生瀬の滝。黄葉に囲まれた美しい滝です(2007年11月17日撮影)

月居山ハイキングコースをさらに奥へ進むと、袋田の滝の上流に位置する生瀬の滝を見ることができます。規模こそ小さいですが、紅葉・黄葉に囲まれた静かな滝のたたずまいは、ここまで歩いて来た人の心をきっと魅了することでしょう。
 

日本三名瀑にも数えられる袋田の滝と周辺の紅葉・黄葉をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。首都圏からもそう遠くない場所にありますので、美しい紅葉・黄葉と美しい滝を楽しみに袋田の滝へ出かけてみてください。
 

袋田の滝へのアクセス

地図:Googleマップ

アクセス:
<鉄道>
JR水郡線の列車

袋田の滝への鉄道アクセスとなるJR水郡線

JR東日本 常磐線 水戸駅乗り換え、水郡線 常陸大子方面の列車に乗り換え、袋田駅または常陸大子駅下車。
袋田駅から茨城交通バス 滝本行きまたはタクシーで約7分。常陸大子駅からは茨城交通バス 滝本行きまたはタクシーで約11分。バスの運行本数は袋田駅、常陸大子駅共に1日4~5往復と少ないので時刻に注意して下さい。

<車>
袋田の滝への案内標識

国道118号線 袋田の滝入口交差点にある「袋田の滝まであと2km」の表示

常磐道 那珂インターチェンジから国道118号線を大子、郡山方面へ。袋田の滝入口交差点を右折して、国道461号線をしばらく走り、案内に従って左折。
バス停留所までの間にたくさんの駐車場があります。
※なお紅葉の時期は、袋田の滝からの渋滞が、袋田の滝入口交差点を含めて国道118号線まで水戸方面に数kmに渡って延びることがあります。時間に余裕を持ってお出かけください。
 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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