ある意味100点満点のクルマ
Aピラーを先代より50mm後退させロングノーズ化。よりFR車らしさが増し、美しいプロポーションに仕上がっている |
今回デザインの評価は行わない。というのも私の好みと全く違うからである。最初に結論から書いてしまうが、クルマの仕上がりは素晴らしい。もし日産の販売目標台数(時節柄けっこう控え目)に達しなければ、その大半がスタイルに起因していると思う。
ということで試乗といこう。まずパワフルな3.7リッターV6エンジン搭載モデルから。20インチというスポーツカーのような大きな直径のタイヤを採用しているため、乗り心地は堅めかと思いきや、走り出すと案外マイルド。というか積極的に乗り心地良い。
日産はショックアブソーバーを納入しているKYBに対し、厳しい要求性能を求めたそうな。そいつを高い次元で実現出来たのだろう。ベンツやBMWにあと一歩という乗り心地の質感になった。500万円のクルマに相応しい落ち着きもあります。
370GT TypeSは20インチ、その他のグレードは18インチ。良質なショックアブソーバーの採用もあって、スポーティーなタイヤとは裏腹にマイルドな乗り心地をもつ |
しかも20インチタイヤならではの高いコーナリング性能をキッチリと享受出来る。ハンドル切った時の曲がる感じときたら、もう「余裕」としか表現しようがないほど。切れば切っただけ、リニアかつスムースにクルマの向きが変わっていく。
この余裕、高速道路入り口のカーブを普通の速度で走っていても解る。ワインディングロードをハイスピードで走れば、一段と新型フーガの奥行きの深さを味わえることだろう。あまり体験することはないだろうけれど、限界性能の高さに驚く。
ハンドリングに負けないくらいエンジンもスポーティだ。VVELという特殊なバルブ機構を持つV6エンジンは、低い回転域から太いトルクを発生。アクセルを開けばドライバーの希望通りに加速。20世紀的なクルマの価値感からすれば100点でしょう。
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