スポーツカーのエンジン?
フロントバンパー&グリルはディーゼル仕様専用のデザインとなっている。それ以外にも、ハロゲンフォグランプや全席3点式シートベルトなど、多くの特別装備がある |
乗用車用ディーゼルエンジンというと、皆さん「カラカラというディーゼル特有の音を発し、低い回転域から太いトルクを出す反面、高回転まで使えない」みたいなイメージを持っているのではなかろうか。そんな予想でエクストレイルのディーゼルに試乗すると、おそらくいろんな意味で驚くと思う。
まず2000回転以下のトルクだけれど、意外なくらい細い。1速は1500回転以下でクラッチを繋いでも問題ないものの、シフトアップした時に2000回転以下に落ちようものなら緩慢な加速しか期待できなくなってしまう。キツい登り坂など加速しないばかりか、アクセル踏んでいても速度がダウンするほど。
なぜか? 最新のディーゼルエンジンは極限までパワーを追求した結果、スポーツカーのエンジンと同じく大型のタービン使っており(最大過給圧2バール以上!)、低い回転域では十分な過給圧を掛けらない。何とか実用に耐えるトルクが出てくるのは、1800回転くらいから。
月販目標100台を設定していたが、発売後20日足らずで目標の10倍、1000台以上の受注を得るほどの人気を得ている |
一方、十分な過給圧が掛かり始めれば、チカラ強さに仰天することだろう。なにしろ最大トルクは3.5Lガソリンエンジンと同等の36kgm! 1.6トンという決して軽くないエクストレイルのボディを軽々引っ張ってくれる。ただパワーバンドは狭く、4500回転を超えた途端、トルクが落ち始めてしまう。
つまり回転数を常時2000回転~4500回転の間にキープしておかないと、このエンジンの美味しい部分を引き出せないワケ。もし速度の低下によってエンジン回転が下がってきたなら、頻繁にシフトダウンしなければならない。といった点からすると、スポーツカーのエンジンみたいなものだと考えればよかろう。
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