MAZDA(マツダ)/ビアンテ

「最広!! ビアンテ」は値段も“最高”(2ページ目)

発売前からPRしていたこともあり、3000台もの仮受注を集めたマツダ・ビアンテ。激戦区のミニバン市場で、「最広!! ビアンテ」はマツダの立派な稼ぎ手になれるのだろうか。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド


決定的な弱みはないが、強みもない

ビアンテ走り
搭載ユニットは2リッターと2.3リッターの2種類。車重がある分、ライバルと比較すると動力性能は見劣りする

試乗してみたら、困ったことに決定的な優位点を見つけられず。もっと正確に言うと、ライバルに届いていない点も多い。例えば車重が90kg重い上、ミッションも5速AT。加速時に最適なギアレシオを自動で選んでくれるノアなどと違い、動力性能は劣勢。

乗り心地も、運転席+助手席に座っていれば悪くないけれど、2列目や3列目シートに座っていると荒れた路面で大きく揺すられる。前輪用に高い評価を得ている欧州製(ボルボなどにも使われているテネコ)、後輪用に日本製のショックアブソーバーを採用しているせいだろう。

ビアンテシート
「最広!ビアンテ」と謳っているように、ミニバントップクラスの室内空間を持っている。それだけに、大きな荷物を積めるシートアレンジがないのは残念

肝心のインテリアは、1~3列目の居住スペースこそライバルと同等ながら、シートアレンジメントが物足りない。ライバル車だと3列目シートを折り畳み収納出来るのに、ビアンテだけ不可能。「大きな荷物を運べる」というミニバンの得意技を諦めなくちゃなりません。

それでいてボディがライバルより大きい。幅は75mm広い1770mm。長さだって120mmも長い。当然3ナンバーだ。使い勝手という面で女性ドライバーにとっちゃ大きなハードルとなろう。

というワケで決定的な弱点こそない。でもライバルメーカーの営業マンにビアンテの弱点を鋭く突かれ、加えて価格まで30万円以上高ければ受注伸びなくても当たり前かもしれません。

今や我が国のミニバン市場は完全なる過当競争。エクシーガの開発担当者に聞くと「新参モノなので戦略的な価格設定としてきました」。マツダもビアンテを成功させたいなら、早急に対応すべきだと思う。

撮影:尾形和美・カーセンサー
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