MAZDA(マツダ)/アテンザ

マツダ 新型アテンザに足りないもの (2ページ目)

マツダ・アテンザはヨーロッパで人気のモデルだ。クルマとしての出来の良さが、彼の地の人々に評価されている所以だろう。母国日本に目を向けると人気は今一つ。新型アテンザを試乗してみた感想と合わせて分析。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

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マツダの泣きどころ

さて。今回初めて日本の道で乗ったのだけれど、やっぱり正統派の良いクルマだと思った。排気量を2.3リッターから2.5リッターへ大きくしながら最高出力落として実用回転域のトルクを稼ぎ、さらに燃料コストが6%程度低くなるレギュラー仕様にしたMZRエンジンは、なるほど扱いやすい。
アテンザ・スポーツ
アテンザ・スポーツ
5ドアハッチバックのアテンザ・スポーツ。ボディサイズは、全長×全幅×全高4735×1795×1440mm。クーペに近い流麗なスタイリングが魅力

絶対的な動力性能も相当満足出来るレベル。というのも最近のマツダ、軽量化に注力してます。全長4735×全幅1795mmという大柄なボディながら、2.5リッターで1420kgしかないのだ(セダン)。加えて空気抵抗係数CD値も0.27と低い。加速時は軽いボディで燃費を稼ぎ、高速域になると空気抵抗の少なさで燃費を稼ごうという狙い。

なかなか魅力的なのがリーズナブルな2リッターエンジン搭載車。軽量ボディのため動力性能は全く不満無し! それでいて「20C」という、ほぼフル装備のグレードが4ドアセダンなら207万円(スポーツワゴンなら228万円)である。

内装
スポーツワゴンのインテリア。3タイプともデザインは共通。スポーツワゴンとスポーツには6MTの設定もある
となれば売れ行き抜群になって当然だろうけど、そうもいかないと予想しておく。残念ながら日本に於けるマツダ車のブランドイメージは高くない。クルマを買うときにマツダ車をショッピングリストの対象にしてない、という人も少なくないと思う。

アテンザに限らず、ここ数年のマツダ車を見るとクルマとしての完成度を急速に向上させてきた。なのに話題に上がらず。「良いクルマを作っても売れない」。こらもう技術者にとっちゃ辛いこと。マツダの営業担当部門は、もっともっと自社のクルマをアピールすべきだと考えます。

撮影:尾形和美・カーセンサー
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