DAIHATSU(ダイハツ)/タント/タントエグゼ

“うるさ方”も納得の新型タント

ダイハツのハイト系ワゴン、タントの2代目が登場した。ルーミーな室内、使い勝手のよさに磨きをかけ、弱点だった「走り」を改善。イマイチな印象がぬぐえなかった初代と比べると格段にレベルアップしていた!

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

乗り心地と走りがポイント

タント 走り
乗り心地もハンドリングも良好。先代モデルをイメージして乗るとビックリすること間違いなし!

最近「軽自動車を買うときに迷ったらダイハツ」と紹介している。実際、ダイハツの軽自動車は内容を考えれば圧倒的にお買い得だ。ミラやムーブなど、相当のクルマ好きでも「これ1台で十分」と思えるほどの仕上がりを持つ。イキオイに乗るダイハツの最新作、新型タントはいかに?

参考までに書いておくと、先代タントの評価は低い。軽自動車と思えないくらい広い室内空間こそ高く評価出来たものの、走りがいけません。乗り心地をソフトにしようと狙ったのだろう。交差点やカーブなどでハンドルを切ると、不快なほど激しくロール(車体が外側に傾くこと)した。

タント フロント
 
タント リア
ディメンションは全長×全幅×全高3395×1475×1750mm。写真からもわかるように、先代モデル同様のハイト系ワゴン。助手席側の室内は広大。価格は108万1500~140万7000円

背の高いクルマの場合、本来ならロールを抑えるため足回りを固めにセッティングしたいのだけれど、先代タントは耐久性やコストを優先したショックアブソーバーを採用したため、硬くすると乗り心地が悪化してしまうという副作用を抑えきれなかったという。柔らか目の足回りを採用した結果、クルマに詳しい人なら納得できないハンドリングになってしまったワケ。

といったことを考えながら新型タントに乗ったらビックリである! サスペンションがキチンと動いており、石畳のような路面でさえ乗り心地良好。それでいてハンドリングも大幅に改善されていた。絶対的なロール量は大き目だが、ゆっくり傾いていくため不安感無し。これなら私のように“ウルサイ”ユーザーだって納得いく。

試乗を終え、担当エンジニアに聞いてみると「新型タントもミラと同じくフロントにショーワ製のショックアブソーバーを採用しました。おかげで減衰力の高いセッティングにしても乗り心地が良くなり、足回りを固められました」。ちなみに最近のダイハツ車、乗り心地悪いと不評のソニカを除き、前輪は基本的にショーワ製のショックアブソーバーを使う(ムーヴのみ前後輪ショーワ製)。

乗り心地だけでなく走行性能もググッと良くなっている。従来型のターボ無しモデルに乗ると、加速性能で不満を感じる場面が少なくなかった。新型タントは低い回転域からトルクを出す新型エンジンと、無段変速CVTを採用。車重が900kg以上あるにも関わらず、登り坂でも十分納得できる性能を確保している。

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