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6年振りにフルモデルチェンジされた新型の実力は? ヴィッツ試乗レポート(2ページ目)

外観こそ日本人受けするかどうか疑問が残るものの、インテリアの演出に関しては「さすが」といった感じ。コストパフォーマンス的に見ても魅力高いです。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

走りを支える新型CVT


超コンパクト設計のパワートレーン。
 走り出して驚くのはガッチリとしたボディの剛性感。まさに硬いシェル(殻)に守られているかのような安心感があるのだ。クルマの骨格となるプラットフォームを始め、サスペンションやブレーキに至るまで全てが一新されたシャーシ性能は、ヨーロッパのスポーツコンパクトモデルと比べても一歩も引けをとらない。加えて、衝突安全性の高さも折り紙つき。社内テストではセルシオとのフルラップ&50%ラップオフセット衝突(後面も)の実験速度を従来比5km/hアップの55km/hに設定。側面衝突についても同条件で鍛えられた新GOAボディは、JNCAP基準で★6つレベル(社内評価値)に達しているそうな。 走行面で高く評価したい部分は、1リッターモデルと1.3リッターモデルのFFに搭載された新開発のCVT。特にパッソ(4速AT)と同じエンジンを搭載する1リッターモデルは、ヴィッツの方が約80kgも重いにも関わらず「本当にパッソと同じエンジンなの?」と思うくらい良く走る。急激なアクセル操作に対しての制御も的確で、CVTの苦手項目だったダイレクト感も十分。絶対的なエンジン出力が稼ぎ難いコンパクトカーにとって理想的なミッションと言えるだろう。さらに、エンジンそのものが優れた素性を持つ1.3リッターモデルとの組み合わせでは、よりスムーズで上質な乗り味となり、街乗りから高速道路まで全く不満のない動力性能を発揮。振動や静粛性の面でも、本質を求めるユーザーの期待を裏切らないレベルに達している。 反対に新型ヴィッツがこれから熟成していくべきだと思った点は乗り心地。剛性感のある頼もしさは大歓迎なのだが、道路状況によってはやや不快な突き上げ感を伝えてしまう。おそらく微少入力に対してダンパーがあまり機能していないことに原因があるのだろう。このことは、コーナーリング中のステアリングフィールにも影響を及ぼしており、絶対的なハンドリング性能は悪くないのにロールが発生する前段階だとタイヤの接地状態が分かり難い。 今後、世界戦略車として日本よりもスピードレンジが高く、乗り心地とスタビリティのバランスについて厳しい目を持つヨーロッパ市場に投入するにあたり、このあたりをどう味付けしていくのか気になるところ。
リアビューは先代の雰囲気を残しながらもワイドで安定感のあるフォルムを強調。
 とは言え、現状でもコンパクトクラスの大本命モデルであることは間違いない。1リッターのF(115.5万円)に、スマートエントリー(プッシュボタン式スタート/ストップシステム付)、電動バックドアオープナー、イモビライザー、運転席・助手席サイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグ、そしてCD一体型AM/FMラジオ付きボイスナビまで付けて136万1850円はコストパフォーマンス高し。年度末商戦を前にした強敵出現に対しライバル勢がどう応戦してくるのかにも注目です。

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