居住性が大幅アップ

彫りの深いフェイスデザインが存在感をアピール。
 ここ数年、コンパクトモデルがターゲットとする市場は大きく拡大している。一昔前なら女性や免許取立てドライバー向けの入門車のように捉えられていたが、今や子供が手を離れたという理由でミニバンから乗り換えるユーザーも多い。これまで大きなクルマを志向してきた若い世代でも、時代背景を反映してか環境負荷の小さいクルマを選ぶ傾向が強くなっている。このような状況は自動車メーカーにとって「結構な難題」。コンパクトクラスならではの価格で、ビギナーからベテランまで満足させるクルマを作らなくてはならないのだ。まあ、そこが開発者のプロ根性を燃え上がらせることに繋がればいいんだろうが……。
斬新かつクオリティの高いインテリア(写真は1.3 U)。
 新型ヴィッツのエクステリアについては正直疑問が残る。「男性受けも狙って力強いデザインを採用した」とのことだけれど、決してかっこいいとは言えない。見方によればヨーロッパ車っぽい雰囲気となるも、日本人好みのスタイルと言うにはやや苦しいと思う。 ところが、いざドアを開けて乗り込んでみるとトヨタの実力を「これでもか」と言うほど見せつけられる。もともとカローラクラス以上における質感の高さはトヨタ車の魅力の1つだったが、新型ヴィッツはそれらに通じるクオリティと、これまでのコンパクトクラスの域を越えたオリジナリティを併せ持っているのだ。もちろん、見た目にも新しいインテリアデザインはしっかりと機能性に結びついている。中でも居住性面の進化は大きく、思い切って絞ったセンターコンソールにより前席足元スペースは一気に拡大。旧型ではやや窮屈な印象だった膝まわりが、大柄な男性が乗っても十分な余裕が生まれるようになった。また、フロントピラーからアームレストに繋がる特徴的な「ループスタイル」も、スポーティカーのような包まれ感と伸びやかな開放感を両立しており、とても居心地の良い空間を演出。気になるリアシートは、「ファミリーカーとしても使用可能なレベル」を確保できている。