「レクサスネス」アメリカでも認められた高品質

威風堂々としたデザイン 撮影:松本明彦
アメリカで「レクサスネス」とか「レクサスライク」言う言葉がある。「卓越した品質」とか「洗練された最高のサービス」の意味だ。元々「安くて故障しない」ブランドとして認められていたトヨタが、「やや高価でも圧倒的な高品質」のブランドとしてアメリカで立ち上げた「レクサス」が、その高品質と洗練されたサービスが評判となり、自動車やそれ以外にも使われる一般名詞や形容詞として広まったものだ。そのレクサスブランドのフラッグシップがLS430、日本名セルシオだ。

威風堂々としたセルシオのボディデザインだが、実はその面質は細かい表情を持ち繊細だ。たとえばフロントフェンダー上のブリスターはフロンドドアへ流れ消え、リアフェンダー前下から立ち上がり上を通りそのまま後ろに流れリアランプ前で消えてる。登場時メルセデスに似ていると言われたセルシオだが、とにかく強い立体造形を持ち全体の形状で強い存在感を自己主張するメルセデスに対し、このような細かい表情を持つセルシオは、実に日本的で全く別物と言える。またこの細かい表情がある事により、品があり人を受け入れるデザインとなり「和」を感じさせる。


「和」のデザイン


セルシオのウェルカムライトは、高級旅館の行燈を思い起こさせる。     (左)撮影:松本明彦 (右)写真提供:佳元

人を受け入れるデザインは「もてなしの心」となり、ジャパンオリジナルと言える特長としてエクステリア以外にも随所に活かされている。たとえばセルシオのオーナーが自車にスマートキーを持って近づくと、ドアミラー下部のウェルカムライトが点き、足元を照らしてくれる。それはまるで高級旅館の渡り廊下の飛び石の、足元を照らす行燈のようだ。

谷崎潤一郎は「陰影礼賛」の中で日本の「光と陰影」に触れ、薄暗い光線の中の、ほんのり明るい間接光を礼賛している。高級旅館における行燈も、道しるべの機能と共に、温かみや安らぎやもてなしを演出し、日本人の美意識をも刺激する。セルシオのウェルカムライトも、そういった「もてなしの心」に通ずるものがある。