NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

ライバルにないV6エンジン搭載のお買い得モデル エルグランドに2.5Lモデル登場(2ページ目)

3.5リッターエンジンのみの商品展開だったエルグランドに、2.5リッターモデルが追加された。ライバルのアルファードやエリシオンにあってエルグランドに無かった決定的な部分は、エンジンバリエーションだ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

ハイウェイスターは315万円

街中では排気量の差を感じない動力性能

 試乗車として選んだのはハイウェイスター。運転席に乗り込んでみると、3.5リッターモデルとなんら変わりなし。いや、エクステリアだってまったく同じ。見た目から2.5リッターモデルだと分からないあたり、購入を考える人にとっては大事なポイントだろう。Dレンジでアクセルを踏んでみると、2010kgの巨体がスーッと滑らかに走り出す。結論から書くと、なんら問題なかった。実は同型式のエンジンとミッションを使うため、排気量差による車重差ゼロ。事実、3.5リッターのハイウェイスターも車重2010kgなのだ。他社のように、2.4リッターモデルが4気筒というのであれば、部品点数少なくなるため軽量化できるものの、エルグランドはより上質なフィーリングにこだわったためV6を採用。
 果たしてどれほどの動力性能を持っているのかと大いに気になったものの、街中を普通に走っている限り決定的なパワーの差を感じない。後で聞くと「ごく普通の道路状況で一般的なアクセル操作して走行した場合、3.5リッターの体感値を100としますと2.5リッターはその90%ほどの値になります(エルグランドの実験担当課長談)」。実用域での違いを極力出さないようにしてきているのだ。
サスペンションの低フリクション化も行われている
 ただ、やはりアクセル開度が大きめの状況になると、排気量の差をはっきりと感じる。特に高速道路の合流や急な上り坂になると、豪快な3.5リッターエンジンが恋しくなることも。前出の実験担当課長に伺うと「0-100km/h加速となると、3.5リッターエンジンの10秒少々に対し、2.5リッターは13秒以上かかります。やっぱり高回転域になればなるほど、どうしても体感的なパワー差も大きくなりますね」。おそらく、このようなアクセル全開の状況だと、2.5リッターの持つ燃費的なメリットもなくなってしまうのではなかろうか。ちなみに、ハイウェイスター同士のカタログデータだと、3.5リッター8.4km/Lに対し2.5リッターは8.9km/L。果たして実質燃費でどれだけの違いが出るのか、いずれしっかりテストしてみたい。
 最後に価格についても触れておこう。エルグランドの2.5リッターで最も安い『V』の価格は283.5万円。そして、アルファードの最廉価グレード『AX(2.4リッター)』が278.25万円で、エリシオンのべースグレード『M(2.4リッター)』は273万円という具合。単純に価格だけ見ると、エリシオン優勢か? と思うけれど、実はオーディオレス。アルファードはそのまま乗れる状態だが、3車の中で唯一の4速AT(他は5速AT)ということで、技術的にやや古い感じ。これらを踏まえると、主要装備を標準とし、プラス100ccのゆとりを持つV6エンジンが与えられているエルグランドの価格はかなり戦略的だ。

関連サイト
エルグランド公式サイト
日産自動車
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます