街中では排気量の差を感じない動力性能
試乗車として選んだのはハイウェイスター。運転席に乗り込んでみると、3.5リッターモデルとなんら変わりなし。いや、エクステリアだってまったく同じ。見た目から2.5リッターモデルだと分からないあたり、購入を考える人にとっては大事なポイントだろう。Dレンジでアクセルを踏んでみると、2010kgの巨体がスーッと滑らかに走り出す。結論から書くと、なんら問題なかった。実は同型式のエンジンとミッションを使うため、排気量差による車重差ゼロ。事実、3.5リッターのハイウェイスターも車重2010kgなのだ。他社のように、2.4リッターモデルが4気筒というのであれば、部品点数少なくなるため軽量化できるものの、エルグランドはより上質なフィーリングにこだわったためV6を採用。果たしてどれほどの動力性能を持っているのかと大いに気になったものの、街中を普通に走っている限り決定的なパワーの差を感じない。後で聞くと「ごく普通の道路状況で一般的なアクセル操作して走行した場合、3.5リッターの体感値を100としますと2.5リッターはその90%ほどの値になります(エルグランドの実験担当課長談)」。実用域での違いを極力出さないようにしてきているのだ。
最後に価格についても触れておこう。エルグランドの2.5リッターで最も安い『V』の価格は283.5万円。そして、アルファードの最廉価グレード『AX(2.4リッター)』が278.25万円で、エリシオンのべースグレード『M(2.4リッター)』は273万円という具合。単純に価格だけ見ると、エリシオン優勢か? と思うけれど、実はオーディオレス。アルファードはそのまま乗れる状態だが、3車の中で唯一の4速AT(他は5速AT)ということで、技術的にやや古い感じ。これらを踏まえると、主要装備を標準とし、プラス100ccのゆとりを持つV6エンジンが与えられているエルグランドの価格はかなり戦略的だ。
関連サイト
エルグランド公式サイト
日産自動車