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写真を見て頂ければ解る通り、なかなか個性的なスタイルを持つ。アメリカではトヨタ・ハリアーやBMWのX3といった人気SUVを相手に大健闘。特にデザインが評価されているそうな。今や米国日産の貴重な稼ぎ手になっている。アメリカの風景だとサイズもデザインもムラーノくらいの存在感でちょうどいい感じ。しかし日本で使うとなると、ボディはかなり大きい。全長の4765mmこそオデッセイやエスティマと同じ長さだが、セルシオより50mm広い全幅は1880mm。パジェロのロングボディとほぼ同じサイズだと思えばよかろう。日本の道路の場合、経験的に1800mmを超えたあたりから厳しい感じになっていく。デザインだって日本向けとは言えない。
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逆にデザインとサイズさえ気にならなければ、ムラーノは魅力的だと思う。すでに発売開始からだいぶ経ったアメリカのユーザーの声をチェックしてみると、走りの評価が特に高い。試乗してみたら、なるほど往年の“日産車らしさ”を取り戻している。何が日産車らしいかというと「乗っていて楽しい」のだ。大柄なボディを意識させないほど意のままに走ってくれます。トヨタも楽しいクルマが増えてきたと思ったけれど、やはり日産の豪快さを味わってしまった後じゃお上品な感じ。薄味なのだ。また、3,5リッターV6エンジン搭載車はこのクラスで少数派のCVTを変速機に採用している。金属ベルトを使う無段変速システムのため、スクーターのようにスムースな加速で快適。