肌色に合う色とは…肌色をきれいに見せるカラーコーディネートの基本
ファッションやメイクの色によって、肌色がくすんで見えたり、血色よく見えたり……。そのようなご経験はありませんか?記事「20秒で診断!パーソナルカラー(似合う色)診断 女性編」では、似合う色選びの指針となる4つの基本タイプをご紹介しています。
似合う色とは、あなたの魅力を引き出し、きれいに見せる色のこと。「似合う」「似合わない」は極めて主観的な判断ですが、いくつかの要件が考えられます。今回は、肌色をきれいに見せるという観点から、カラーコーディネートの基本をご紹介します。
きれいな肌色とは?
日本人の肌の色をマンセル値で表すと、2.5YRから10.0YRの色相に分布しています。YRという記号は、黄赤(オレンジ色)の色相を示しており、1.5YRは赤の色相に近く、10.0YRは黄の色相に近いことを示しています。YRの右側の2つの数値は、明るさの度合い(明度)と鮮やかさの度合い(彩度)を示しています。日本人の肌の色は、うすいオレンジ、明るい灰みのオレンジと言い換えることもできます。
上記に示した3つの肌色サンプルのように、色相・明度・彩度のごくわずかな違いで、健康的な印象を与えたり、顔色が悪く見えたりします。毎日のスキンケアでお肌の状態を良好に保つことは大切ですし、ファンデーションなどベースメイクで、肌色を調整することも可能です。
しかし、ファッションなど身につける色によって、肌色がくすんで見えたり、血色がよく見えたりすることも。健康的な肌色の配色例で、シミュレーションしてみましょう。
隣接する色によって肌色の見え方が異なる!?
上の図は、明るいブルーと明るイエローグリーンに、「健康的な肌色」を組み合わせた配色例です。肌色の部分は同じ色ですが、左の肌色の方は透明感が感じられるのに対して、右の肌色は暗く濁って見えるのではないでしょうか。このように、物理量が同じ色でも、隣接する色によって知覚量が異なる場合があります。一般的なカラーコーディネートは、お互いの色を引き立て合う関係を探りますが、パーソナルカラーは好ましい肌色の見え方を重視します。
調和・不調和の評価
上の図は、配色の印象評価の例を示したものです。色彩イメージの評価には、心理学的測定方の1つ、SD法(Semantic Differential method)がよく用いられます。個人が抱く印象を相反する形容詞の対を用いて、尺度の度合いによって、測定するものです。どのような形容詞を用いるかによって、結果は異なりますし、評価の度合いも人それぞれですが、調和・不調和を判断するひとつの指針となるでしょう。
セパレーションカラーで肌色の見え方が変わる!?
上の図は、明るいブルー、明るいイエローグリーンと「健康的な肌色」の配色例です。右側の肌色と明るいイエローグリーンに、セパレーションカラーとしてグリーンを組み合わせると、肌色もイエローも見え方が変わり、明るく澄んだ印象になります。このように、セパレーションカラーによって、不調和な配色を、調和のとれた配色にすることも可能です。色彩は隣接する色の組み合わせ方によって、見え方が変化します。カラーコーディネートは簡単なようで、曖昧で予測することが難しいもの。なぜなら、色彩は、知覚体験だからです。カラーコーディネートは、色を組み合わせるだけと考えがちですが、色の見え方の変化を注意深く観察することが大切です。
人間の肌は、配色例と違って色むらがありますし、平面ではなく立体なので、もっと複雑な見え方となります。しかし、このような色の特性を知っていると、予測しやすくなり、コーディネートのアイデアも広がるでしょう。
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