はじめての節目を、夫婦で祝う

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戌の日の安産祈願って?
妊娠5ヵ月目の戌の日に、腹帯をして安産祈願をすることを「帯祝い」ということは、妊娠すると初めて知ることが多いかもしれません。妊婦さんでも、あまりその意味合いをよく知らない人もいるようですし、最近では腹帯をしない人まで増えていて、このお祝い行事が伝承されなくなってしまうのではと少し心配な現代ではあります。

私は5回、妊娠5ヵ月目の戌の日からさらしの腹帯を巻いてきました。今回は、この戌の日の帯祝いについて、あらためてご紹介したいと思います。

帯祝いは古くから日本で続けられている安産祈願の行事です。平安時代からあったのではないかという説がありますが、授かった赤ちゃんの無事な成長と妊婦の安産を祈り、ふくらみ始めたお腹にさらしを巻く儀式が綿々と続いてきたことは、世界に誇りを持っていいことではないでしょうか。

妊婦がさらしを巻く習慣が日本と台湾だけと聞いたことがありますが、保温や保護のためのみならず、赤ちゃんを守り包む心をあらわす慣習として、とても美しい文化だと思います。ぜひ、この心の一区切りであるとともに、元気な子が生まれて来れますようにと願う日は、ぜひ妊夫となった彼とデートがてら、戌の日には二人揃ってお参りにいきましょう。

帯祝いの帯って?

帯祝いの「帯」といっても、岩田帯と言われるさらし木綿を半分の幅に二つ折りをして、妊娠5ヵ月目の戌の日に巻くのですが、帯はだいたい2メートル以上は必要です。七五三にちなんで7尺5寸3分の長さ(230センチ)をと大事に伝承している地域もあるようです。

七五三の由来は、7歳までは子どもは天からの預かりもので、7歳までに病気で死んでしまうことが多かったことから、3歳まで育ったお祝い、5歳まで育ったお祝い、ついに7歳まで大きくなれたお祝いで2年ごとにお礼参りをするとされています。安産祈願だけでなく、生まれた子がその後も元気に育つようにとも思いがこめられているんですね。

有名な神社仏閣では帯祝いのお参りをすると、帯の端に「寿」の字が書いてあるものをいただくことができます。自宅で帯祝いをしている地域ごとに、文字の書き方は異なるようですが、私が帯祝いをしていただいていたお寺さんからは、この「寿」と朱色の毛筆で書かれたものをいただきました。

夫と、夫の母とともに安産祈願で有名なお寺さんにお参りをすると、「寿・亥年・女子」と書かれていました。安産祈願後に無事安産した女性と家族が、生後一ヵ月の赤ちゃん連れでお宮参りのときに、新品のさらしをお寺に納めるそうです。

そうすると、その納めたご家族の赤ちゃんの干支と男子か女子かを明記して、また次の安産祈願の妊婦さんに贈るようにシステムができています。「これは亥年に安産で生まれた○○ちゃん宅から納められたさらしです」というわけです。なんと循環型なんでしょう。

5ヵ月目というベストタイミング

5ヵ月目にというベストタイミング
戌の日をあらためて大事に過ごしてみませんか?
戌の日の「戌」は干支の1つですから戌年が12年に1回あるように、戌は1年に1回、戌の日は12日ごとに1回あります。

犬が安産であることやたくさんの子どもを産むことにちなんで安産祈願の日とされているわけですが、12日に1回はあるのですね。ですから、全国の安産祈願で人気の神社仏閣は、12日ごとに戌の日の法要があるようです。

それでも結婚式のように大安吉日や土日の週末に重なると、どっと大勢の妊婦さんが家族と訪れ、東京の水天宮では週末の戌の日は15000組ほどの妊婦家族が参拝に訪れるそうです。

こんなにたくさんの家族が集中して参拝に訪れるのなら、5ヵ月目をはずして他の月でもいいのでは?と思う人もいるでしょう。この戌の日の安産祈願を5ヵ月目にするのは、実はとても合理的な意味があります。1つめはつわりが落ち着くのがだいたい妊娠15週目。妊娠がわかってからすぐに安産祈願をと思っても、つわりが重ければ法要も難しいでしょう。

それから、妊娠がわかってからすぐにお祝いをしてしまうと、自然流産も妊娠12週目までは10%から15%ありますから、安産祈願は安定期に入ってから、というのが適切なのです。そして、5ヵ月目は胎動がわかる時期。安定期に入り、胎盤ができてつわりもおさまり、赤ちゃんが動いているのがわかる頃に、周囲に「帯祝い」をして妊娠を報告していたというシステムは、とても合理的です。

妊娠検査薬も産婦人科もなかった時代は自分が妊娠していることは、上の子に授乳をしていれば月経がなくてわからなかったでしょう。初潮から数年して“十五で姉は嫁に行き”の歌のごとく、明治時代でも18歳前後からは出産しはじめていました。まだ避妊の知識も道具もなく、次々と授かれば出産していた時代でも、日常的に自然流産はあったはずです。

早い時期から妊娠を周囲に公表して、残念ながら赤ちゃん側の問題で自然流産してしまっても、ご近所さんにそれが知られては生活もしづらくなります。医学や科学が発展する前は自然流産も宗教的に「水子供養」の対象とされ、家族の幸・不幸を周囲の尺度で決められる窮屈さがあったことが想像できます。

妊娠初期の段階では周囲には公表しないということが、妊婦のリラックスにつながり流産防止にもなり、生活の知恵だったのかもしれません。

胎動がわかって「ここまで元気に育ちました。これからは安産に向けていっそう身体づくり、心づくりをします。生まれてきて元気に育ちますように」という誓いの日、5ヵ月目の戌の日を、もっともっと夫婦で、そして祖父母になる親世代ともあらためて大事に過ごしてみませんか?

安産祈願だけでなく、同時にパートナーと楽しめるイベントなども

東京の安産祈願の妊婦の聖地といわれる水天宮のすぐ近くのロイヤルパークホテルで、年に5回ほど戌の日と土日が重なる週末に5ヵ月妊婦さん応援イベント「はぐくみ」という戌の日イベントが開催され始めました。ロイヤルパークホテルでは「戌の日特別ビュッフェ」や、「戌の日子宝弁当」などの特別企画が盛りだくさん。妊夫となったパートナーとはもちろん、祖父母になるご両親や上の子を連れていても美味しくいただけるレストランメニューが嬉しいですね。

イベント会場内では無農薬野菜の紹介ブースやベビースリング着用体験コーナー、ノンカフェインのお茶の試飲コーナーなど、良質良品の情報が生で入手できます。私もマタニティカップルクラスを担当させていただいたり、安産祈願に来るしあわせなご家族と交流させていただき、とても楽しかったです。高齢出産予定の女性もたくさんお見えでした!

安産祈願の法要だけでなく、妊婦カップルにとっても嬉しい情報源いっぱいのこのイベントが、全国の安産祈願のお寺や神社の近くで開かれたら楽しいのにと思いました。

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