「性病」から「性感染症」へ。種類も罹患数も拡大!

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性感染症の予防は大人のセルフケアで
ここ数年で性感染症 (STD=sexuallytransmitted disease)が増えています。性感染症は、性行為あるいはその類似行為によって感染する病気のこと。以前は一般的に性病と呼ばれ、代表的な病気は淋病や梅毒など「性風俗などで遊んだ一部の人たちが罹る病気」というイメージでした。淋病や梅毒は罹ってしまうと症状も気づきやすく、早めに治療ができたため、感染はそれほど拡大せずにすんでいました。

しかし、最近は増えているのは、自覚症状のほとんど現れない性感染症です。淋病や梅毒などが少なくなった代わりに、性器クラミジア感染症や性器ヘルペス・尖型コンジローム・エイズなど、新しい性感染症が増加しているのです。多くは感染しても顕著な症状が出ないため、気づかないうちに人から人へ、感染の輪を広げるという深刻な状況を生み出しています。今や性感染症は一部の人がかかる特別なものではなく、普通に生活していて一度でも性行為をした経験があれば、誰がかかっても不思議ではない病気だといえます。

自覚症状が現れにくい性器クラミジア

今、女性に感染が増えているのが性器クラミジアです。この病気は、女性の側が特に自覚症状が現れにくいため、気づかないうちに重症化しているケースもあります。性器クラミジアの患者は、とくに10代後半~20代後半の若い世代に多く、10代後半の感染者では男性の2倍以上が女性という驚くべき実態もあります(子どものからだと心白書 2005年度版より)。こうした統計に表されている数値は病院を受診して診断された患者数ですから、治療をしていない感染者はこの約5倍いると推定されています。

クラミジアがなぜ女性に増えているのか? それは女性の性器は内側がすべて粘膜に覆われているため、感染しやすい構造になっているからです。また、膣・子宮・卵管などがすべてつながっているため膣から感染して炎症を起こしても、それが子宮・卵管・骨盤・腹膜へと感染する恐れもあります。先ほども書きましたが、女性のほうが症状に気づかないことも多く、そのまま放置すると、不妊症や流産、子宮外妊娠などを引き起こす事態にもなりかねません。