「獲得愛」から「継続愛」へ
結婚前、自分を結婚相手と決めて欲しいがゆえのセックスの「獲得愛」のエネルギーと、結婚してお互いをパートナーシップと決めて「継続愛」を深めるセックスのエネルギーは質の違うものです。恋人時代のセックスが一番燃えて熱いセックスなんだと決めてしまうと、過去と比較してしまいがち。あのころのような熱い気持ちはもうないのか、とかあのころのように、長く、深く愛し合えることはもうないのかとか、前に比べて時間が短いセックスが、劣化しているという考え方に。育児がはじまったり、仕事で、役職が増えて責任が大きくなってきたりすると、2人の性的な関係はどんどん劣化する方向しか見えなくなってくるのは残念です。共働きカップルだったらお互いが、職場や人生でどんなことがおこるかわからないので、ふたりのリズムはちがって当たり前。男性にとっても女性にとってもしたい日したくない日、出来る日できない日というのがあり、仕事の影響は大きいでしょう。共働きの夫婦は、エネルギーを使わないでも、自分は自分でいいんだと思えたり、癒しになるような、いろんなバリエーションのセックスがあってもいいのではないでしょうか?
「忙しいからセックスできない」という方程式を外す
10年この仕事をしていると、共働きの出産育児プランに関してコンサルティングすることも多いのでたくさん相談も受けますが、疲れているからこそ、セックスをして癒されるというカップルもクラスにはいっぱいいます。忙しいからセックスできないという方程式はありえません。忙しいからできないという単純論法で決めてしまうと、これから先の30代40代50代と絶対できないですよね。クラスには女子大生から40代まで来られますが、パートナー(異性)と、ともに働き、ともに暮らし、ともに相手の新しい出会いや発見、自分自身の新しい出会いや発見や成長を分かち合っていくからこそ、夫婦には楽しい醍醐味があります。性の関係でも変化の波を楽しんでいくのが大前提です。人は社会的にも性的にも人間的にも成長します。そこでまだ生殖年齢にあるカップルが、子どもが一人生まれたらセクシャリティを卒業するということはありません。
家の中に癒しをクリエイト
諸外国では夫は4時に仕事が終わって5時まで飲んで家に帰って来るのが当たり前だったり、旦那がお昼ご飯を食べに自宅に帰ってくることもあります。諸外国から見れば日本の、「仕事とセックスは家に持ち込まない」という考え方とか夜中まで働くのが当たり前みたいなことは考えられないことです。夕食やお酒をそれぞれに外でとってくることもファミリーとしての感覚がずれていて、動物的にも日本人の一日の終え方にはゆがみがあるといえるかもしれません。夫が夜中の1時2時に帰宅してセックスできないのは当たり前です。性風俗など商品化された性が手軽に入手でき、暗黙の了解で認められている日本の社会にも原因があるかもしれません。世界には一夫一婦制の国はたくさんあります。インドなどは、お互いに性的経験がないまま結婚し、そのパートナーシップを一生続けます。離婚もありません。85%の人が性の相手は一生お互いしか知らないという人生だそうです。人口政策により二人目を出産すると不妊手術を受けなければいけないという問題もありますが。いずれにしろお互いにファミリーの中のカップルとしての意識を持てば、外でお金を払って癒しを求めるのではなく家の中に癒しをクリエイトできるはずです。思いやりの気持ちを持ってそれぞれの夫婦のオリジナルな愛を築いていってくださいね。