海外では、妊婦へのインフルエンザ予防接種に長い実績があります
海外では、インフルエンザ予防接種はずっと以前から妊婦さんにすすめられています。 |
海外に目を向ければ米国では妊娠中の接種には長い歴史があります。妊婦はずっと「特に受けるべき人」とされてきましたし、WHOもそう考えてきました。そのためAll About 「出産医療・産院選び」では、2005年から接種は大丈夫であることを伝える記事(こちらから)を載せて安全性をお伝えしてきました。そしてこの度、日本でもやっとワクチンの添付文書の打ってはいけない人のリストから妊婦が削除されました。これでようやく世界標準と整合性がとれたことになります。
重大な副作用の報告はありません
新型インフルエンザについては、予防接種について、また病気そのものについても、まだ現れてから時間が経っていません。しかし斎藤先生によると、現在世界中の専門家が日進月歩の勢いで研究を進めており、今までのところ重大な副作用の報告はありません。ですから、季節性のインフルエンザの予防接種と同じに考えてよいと思われます。卵アレルギーの人は接種を控えた方がいいかもしれません
ひとつだけ心配なのは、ワクチンは卵を使って作るため、卵アレルギーの人がワクチンを打つとアナフィラキシーショック(急激な血圧低下など危険な循環異常を起こすアレルギー症状)を起こすことがあるという報告です。「発生率は100万人のうちの2~3人と言われていますが、やはり卵アレルギーのある人は接種を控え、感染してしまったら48時間以内にタミフルを服用するようにしてください。」(斎藤先生)あらかじめ注射器に詰めてある「プレフィルドシリンジ」は防腐剤フリー
「あまり神経質にならなくてもいいのですが、知っておいてもいいかもしれません」と斎藤先生が教えてくれたのは、今回のワクチンには2週類の形態があるということです。「ワクチンには、あらかじめ注射筒に詰めてある『プレフィルドシリンジ』と、小瓶入りの『バイアル』があります。プレフィルドシリンジには防腐剤が入っていないので、もし選ぶことができれば、妊婦さんはそちらを希望するのもいいでしょう。ただ、もしバイアルしかなくても、打つことによるメリットの方が防腐剤の心配よりずっと大きいことですので、それで接種をやめるようなことはしないでください。」