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産科医療補償制度ができた本当の理由は?(2ページ目)

水曜ドラマ「ギネ 産婦人科の女たち」原作者の岡井崇先生(昭和大学産婦人科学教室教授)に、作品への思いをお聞きしたインタビュー。テーマとなった産科医療補償制度は医療訴訟とつながりが深い制度です。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド


河合 脳性麻痺は何が原因で起きるのでしょう?

岡井先生 これはとても難しい病気で、原因がわからないケースが多いのです。私が医師になってから母体死亡は20分の1,胎児新生児死亡は14分の1に減りました。でも脳性麻痺はほとんど減っていません。原因がよくわからないので防げないのです。

国際的に「脳性麻痺の赤ちゃんの多くは、妊娠中から問題を抱えている」と考えられています。胎内生活のどこかの時点で脳への血流が滞る何かが起きているわけですが、なぜ、どんなことが起きているのかはわかっていません。

河合 脳性麻痺の赤ちゃんは妊婦健診ではわからないのですか。

岡井先生 脳のダメージが大きく、発育に影響が出てきたというようなことになれば、健診でわかります。でも、お腹の中ではお母さんの血液から酸素をもらっていますから、健診では元気に見えることも多いのです。でも陣痛という負荷がかかってくると「心拍がおかしい」など少しずつ症状が出てきます。


>>しかし、一部には、医療側の判断で防げるケースもあります。 どんな場合でしょうか?
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