「ギネ 産婦人科の女たち」の原作でテーマとなったのは産科医療補償制度。これは医療訴訟とつながりが深い制度です

//imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/1/8/8/7/3/7/taiji.jpg
脳性麻痺の赤ちゃんが生まれる割合は、1000人に2人の割合と言われています。
2009年1月1日から産科医療補償制度が始まり、赤ちゃんが重症の脳性麻痺となった場合、親は3000万円の補償が受けられるようになりました。

お産における「万が一の事態」にはいろいろあるのに、なぜ脳性麻痺だけが対象になったのでしょう。それは、この制度が成立した背景に医療訴訟の問題があるからです。

制度の実現を目指して努力してこられ、医療訴訟を扱った小説『ノーフォールト』の著者でもある昭和大学医学部産婦人科教授・岡井崇先生にお話をうかがってきました。




河合 まず脳性麻痺とはどんな病気なのか教えてください。

岡井先生 脳の神経の一部に後遺症が残ることです。脳には、血流の供給が滞った場合、ダメージを受けやすい部分があります。そこの脳細胞が回復しない状態になっていることがMRIなどによる画像でわかると診断がつきます。大脳に大きなダメージがなく運動機能に軽い障害があるくらいなら、医師になる人もいます。しかし今回の補償対象になる重症の方の場合は生活全般において介護が必要です。

河合 脳性麻痺になる赤ちゃんはどれくらいいますか。

岡井先生 日本での発生数は正確な統計がないのですが、軽いものも含めると確率としては500人に1人と言われています。

河合 今回スタートした制度では、なぜ脳性麻痺だけが補償の対象になったのでしょうか?

岡井先生  いずれは他の疾患にも拡大していくべきだと考えています。でも、最も問題となりやすい脳性麻痺から始めたということですね。脳性麻痺は医療訴訟につながりやすい疾患で、毎年百数十件の新たな訴訟が起きています。また、重症の脳性麻痺はご家族にはとても悲しいことですし、生涯に渡って看護・介護を続ける負担も重いということがあります。

>>脳性麻痺は、なぜ起きるのでしょう? 予防はできないのでしょうか?>>