疲れて、そんな気になれない女性たち
セックスを再開していない主な理由は、次のようなものでした。
「育児、家事が大変で余裕がない」
「性欲がない」
また、一部の人は、会陰切開の傷が痛むのを怖れてセックスを避けていました。また、陣痛がつらかったので妊娠がこわくなり、セックスまで怖くなったという人もいました。
セックスレスの背景には、出産や育児で心身に重い負担を感じ、疲れている女性の姿があったのです。
再開した人も、心の中にはためらいが
灘さんの今回のアンケートでは、再開した人にも、否定的なコメントが見られました。
「家事や育児にばかり手がかかり、夫との時間が持てない」
「次の赤ちゃんが欲しいが、お産がこわい」
「帝王切開になったショックが大きく、また妊娠するのがこわい」
「セックスの時に、痛みがある」
避妊も不十分
こうした悩みを、相談する相手もなく、ひとりで抱えている女性はたくさんいそうです。産後は、健診も1ヶ月健診で終わってしまい、相談できそうな医療者と接触する機会も減ります。
セックスが再開しにくいという問題がある一方、不十分な避妊しかおこなわず、中絶という事態を迎えてしまう産後カップルもいます。灘さんは今回避妊手段についても聞きましたが、膣外射精で避妊しているカップルが、「コンドームを使うときもある」を入れると半数近くになりました。これは最も妊娠リスクの高い方法です。
産後しばらくは心も体も揺れる時期ですから、セックスが揺れるのも自然なことです。でもふたりの時間を楽しめるくらいのゆとりが持てること、自分の身体をいたわり、次の妊娠についてもちゃんと話し合えることは、育児中でも大切なことではないでしょうか。
この記事は島根県看護短期大学講師・灘久代さんの監修をいただきました。
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産後の性(3) 産後のセックス Q&A その1
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