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臨月の子宮は普段の100倍!

葛飾赤十字産院の竹内正人先生にお聞きする、子宮のすべてシリーズ!子宮は妊娠すると桁はずれに大きくなり、お産の時にはものすごいエネルギーで縮みます。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

葛飾赤十字産院の竹内正人先生に聞いてきました!子宮のすべてがわかるシリーズです。「妊娠が始まる時の子宮」から臨月にはどのような変化が起こっているでしょうか。

子宮は臨月までにどれくらい大きくなるの?

普段は50gくらいの子宮ですが、臨月のころには1kgほどになりますから、実に20倍になります。容積は(7cmくらいの子宮が、36cmくらいになるので、)なんと100倍以上にもなるのです。

子宮の中って暗い?赤ちゃんは、朝がわかる?

暗いですね。赤ちゃんは、朝も夜も、同じように暗い世界にいるわけです。

お産が近づいたら、子宮はどう変わる?

子宮口がやわらかくなり、陣痛が始まる前に、1~2cm開く人もいます。「ブラックストン・ヒックス収縮」と呼ばれる強い張りが起きるようになるのも特徴。これは、本番の収縮の備えての筋トレみたいなものです。

子宮が収縮するのはなぜ?

オキシトシンというホルモンが出て、子宮の細胞にその信号を受けとめるレセプターができていると、陣痛が開始します。そのレセプターがないと、たとえば陣痛促進剤のようなものを使っても、うまくいきません。

子宮は、ちょうどいい時期に収縮の準備を整えるようです。そのメカニズムにはいくつもの条件が複雑に関係していて、未知の部分がまだたくさんあります。

陣痛って子宮にとっては大変な重労働ですよね

人間の身体で、他に、あんなすごい力で縮むものはないですね。なにしろ、中にあるものをすべて押し出してしまうのですから。それはすごい力です。

お産が長引いて、子宮筋がバテることはないかしら?

子宮を作っている平滑筋という筋肉は持久力があるし、それで心臓も一生動いています。ただ、さすがに、陣痛は運動量が違います。疲れて、微弱陣痛になる人はいます。中には、眠ってしまう人もいるし。

でも、それで一度休憩すると、再びフル充電になります。元気になって、強い陣痛が来るようになるのが普通です。

>>産後の子宮はどんな様子?

■監修・竹内正人先生(東京・葛飾赤十字産院 産科第二部長)
マタニティ誌やNHK教育「すくすく子育て」でご存じの方が多いかもしれません。毎日たくさんのお産や手術をこなす中、説明と笑顔を忘れないフレンドリーなドクターです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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