「夫に禁煙してもらいたい!」と思っている妻、そして「僕もホントは禁煙したいんだ」と思っている夫‥‥そんなカップルに贈る徹底検証です。赤ちゃんの体重が増えにくい、というデメリットについて調べた研究を、海外の専門誌で探してみました。
赤ちゃんの体重は個性でもありますが、お腹の中の環境がよくて十分発育できたかどうかの目安でもあります。まとまった人数で調べると個性は平均化され、公正な比較ができます。
●ノルウェー
ノルウェーでHaug氏たちが34799人の赤ちゃんを調べた結果、母親が妊娠中喫煙していた赤ちゃんの体重は平均197g減になっていました。父親だけが吸う場合は吸わない両親と同じ結果でしたが、両親とも吸う場合は201g減になり、母親しか吸わないと153gの減少にとどまりました。夫の喫煙はかすかな影響有り、というところですね。
●米国ノース・キャロライナ
ノース・キヤロライナ大学のZhang氏が上海で調査したものでは、自分は吸わない母親から生まれた1785人を調べたところ、夫が喫煙者であると赤ちゃんは平均30g軽くなりました。
●インド
インド・ヴェロアのキリスト教医科大学のMathai氏たちがおこなった研究では、994人の吸わない母親の半数が夫は喫煙者でした。その場合、赤ちゃんは平均638g小さく生まれていました。
●米国アリゾナ
アリゾナ医科大学Martine氏が175名を調べた研究では、夫が毎日20本以上吸うと、母親が吸わなくても赤ちゃんが平均88g軽くなっていました。産後にへその緒の血液を調べると、血中にコチニン(ニコチンが変化したもの)が認められ、量は夫の喫煙本数が増えるほど多くなっていました。
このような研究は、世界にはまだたくさんありますが、総合的に見ると、わずかながら体重が減る傾向が見られます。
喫煙が赤ちゃんに及ぼす害はたくさんあり、体重減少はほんのひとつに過ぎません。でもこうして数値が世界中でそろってきたのを見ると、煙が、妻へ、そして赤ちゃんへと確実に及んでいることがわかります。
ひとこと
禁煙がどうしても難しい場合には、夫の煙に妻が「いや」と言える関係であることも大事だと思います。インドで体重減少の幅が大きいのは、女性が夫に対して自分のカラダや子どもを守るようなことを言いにくい社会で、吸う煙の量が増えてしまうのかな‥‥と思いました。
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