増え続ける高齢出産
日本人が初めて出産する平均年齢は、厚生労働省の2001年人口動態統計によると28.2歳。35歳以上の妊娠も、まったく珍しさを感じなくなりました。
でも、「最近、徹夜仕事がきつくなってきたかも」なんて思い出す頃に妊娠すると、やっぱり「大丈夫かしら」と思ってしまいます。本を開けば、「高齢初産は産道が硬ってお産が進みにくい」等こわいことばかり書いてあり、ますます不安になってしまいます。
年齢よりも個人差
ただ、私が取材でお会いする医療者のほとんどは、「年齢よりも個人差が大きい」と言います。年齢が高くても体が柔らかい、体力がある人もいるし、若くてもそうでない人がいるということです。また、高齢で産む人は食事や体操など生活面で努力する場合が多いので、それが実を結ぶことも多いようです。
ニューヨークのマウント・サイナイ医学校でおこなわれた3910名の20歳以上の初産婦さんを調べた調査では、35歳以上の人と20~29歳の人から生まれた赤ちゃんの最終的状態には、低体重の子がわずかに多かったこと以外それほど大きな差は出ませんでした。
特別な治療を要する割合が少し増えたり、帝王切開が増えたりと一部の人に経過の違いは出ますが、ほとんどの人は、最後には20代の母親が産んだのと同じ元気な子を抱けています。