サーカス学校に入る
ジャグリングアーティスト(大道芸人)としての齋藤さん。
齋藤:ジャグリングアーティストと言っていますが、「大道芸人」と言った方がわかりやすいかもしれないですね。
ガイド:専門の大学があるんですね?
齋藤:正式な学校法人ではないのですが、群馬県に沢入国際サーカス学校と言う、日本で唯一のサーカスの学校があります。僕は、そこで4年間サーカスに必要な基礎的技術を学びました。たとえばバレエやダンス、パントマイム、アクロバット等の体を使った身体表現ですね。この学校は基礎を身に付けて体を作ってから専門芸を覚えていくスタンスだったので、ジャグリングは独学で学びました。
ジャグリングを始めた理由
ガイド:どうしてジャグリングを?齋藤:10年くらい前にハイパーヨーヨーがはやって、それがそもそものきっかけです。それをおもちゃ感覚ではじめたのですが、これのデモンストレーションをする人たちを見て、この時から「いつかは人前でパフォーマンスをやってみたい」と思い始めました。
これが「ディアボロ」。齋藤さんは、自由自在に扱う。
そして、ある時プロのジャグラーのショーを見る機会があって、その人のディアボロのショー見て凄く衝撃を受けて、凄く憧れました。「今まで見てきたモノとは違う、こんな世界があるのか」と。
実際その人の事を調べていくと、サーカスなどでパフォーマンスをしていることがわかったんです。でもどうやればそういうショーができるのか、どうすればプロになれるのかがわからなくて、とりあえず、その人を目指して練習していました。
齋藤さんのパフォーマンス@上野公園
サーカスというと、普通の人は入れないとか、子供もころからサーカス団に入って訓練していないとダメだというちょっと違う世界をイメージしますが、ちょうどディアボロの練習を続けて、結構レベルの高い事もできるようになったので、これだったらもう数年頑張ればサーカスでやれるんじゃないかって思いましたね。「絶対に無理だからやらない」ではなくて、「できそうだから、やってみたい」という気持ちでした。
ジャグリングアーティストとしての道を突き進む齋藤英祐という人物は、10年前に作られ始めた。「無理だ」と思いがちな道だが、彼は「やってみたい」と思ったという。そして今、その道を突き進んでいる。
次回の記事「25歳、プロの大道芸人の頭の中を探る」では、もう1つのテーマ「自分の体を使った方法で生きていくことへの不安はないのか?」について聞いてみることにしよう。
齋藤さんのパフォーマンスの日程等は、ホームページでご確認いただきたい。(天候によっては変更になることもあり)