ガイド、大道芸人に出会う

8月のある日、私は上野動物園に向かった。特に動物好きというわけではないのだが、ときどき足を向けたくなるのだ。今年は猛暑だと言われているが、その日も例外ではなく、真夏の太陽が降り注ぐ園内は異様なくらいの暑さだった。熱中症になる可能性を多く含んだ時間帯ではあったが、動物園を一回り。暑さのためか、動物たちもいささかぐったりしていた。

上野公園にて。

上野公園にて。

夕方近くになって園を出て駅に向かう途中、ある青年に目がとまった。お椀を2つくっつけたような道具(ディアボロ)やヨーヨーを使い、非常に軽やかな動きを見せていた。どうやら、これからパフォーマンスをするらしい。

彼の名は、齋藤英祐。職業、大道芸人。

私にとっては、初めての人種ともいうべき大道芸人との出会いはけっこう衝撃的で、その反動もあってかすぐさま声をかけることができた。フランクな印象を受けた。

若者の声を聞きたい

パフォーマンス その1

パフォーマンス その1

なぜ彼に取材の依頼をしたのかというと、率直に言えば、彼に興味を持ったからだ。彼のパフォーマンスを見て、私はすごく楽しいと思った。

それは、映画や劇にはない臨場感たっぷりの生の楽しさだった。私は思わず歓声をあげ、手をたたき、そして目を見張った。


パフォーマンス その2

パフォーマンス その2

私の目に映っていたのは、決して大舞台ではない公園の一角で汗を流し、パフォーマンスを1つ1つこなそうとする若者の姿だったのだ。久しぶりに見る「一生懸命さ」だったのだと思う。

彼に聞きたかったことはいくつかあって、テーマとしては以下の2つ。
■今の若者が投資についてどう考えているのか?
■自分の体を使った方法で生きていくことへの不安はないのか?

「日本経済」というよりは、「日本」を支えることになる若者の頭の中を覗き込むことで、私たちが見えていない問題点が見えてくるかもしれない。しかも、私が担当している「投資」というカテゴリにおいての課題は、きっと想像以上に大きいだろう。そんなことを思いつつ、私はインタビューに臨んだ。