上野公園で出会ったひとりの青年。彼は自分の技で飯を食う大道芸人だった。名を、齋藤英祐という。

日本に元気がなくなったと言われて久しいが、そんなことを忘れさせるような感動が、彼のパフォーマンスにはあった。だから、私は世間とはちょっと違う道を選んだ若者に興味を持ったのだ。

齋藤さんのような若者が日本を元気にする

齋藤さんのような若者が日本を元気にする

近い将来、彼らのような若い人間が日本を背負うことになる。しかしながら、肝心の若者は今、何をしようとしているのだろうか。職もないし、希望もない。そんな世の中で、いったい何ができるのか。

ただ、ネガティブに考えても始まらない。だからこそ、私は大道芸人として生きていこうとしている青年に話を聞こうと思った。彼らのような「活きのいい若者」が日本には必要だからだ。

ジャグリングを独学でモノにする

ガイド:一番得意な芸は?

齋藤さんのパフォーマンス

齋藤さんのパフォーマンス

齋藤英祐さん(以下 齋藤):ディアボロです。独学ではじめて、もう10年くらい続けています。10年前はインターネットの動画等、大容量の情報のやり取りができなかったものですから、基礎的な技以外はどんな技があるのか、どんなアイデアがあるのかわかりませんでした。だから、自分でやってみて、自分で技を考えて、新しく発表された技があれば、こう言う組み合わせや応用ができるかな?と試行錯誤の連続でした。

ガイド:子供のころから、器用だったんですか?

齋藤:器用といえば器用かもしれませんが、ぱっとしない器用でした(笑)。全部中途半端というか。足もそこそこ速いけど、もっと速い人はいるし、勉強もそこそこできるけど、トップクラスじゃない。平均とか平均よりもちょっと上は行くんですけど、それ以上は行かないというタイプです。だから、目立つタイプではなかったですよね。

ガイド:常に新しい技を考えているんですか?

齋藤:今は、新しい技というよりは、自分のパフォーマンスの完成度を上げることを考えています。表現力についても、学ぶことはまだまだありますからね。

前向きで真面目な印象の大道芸人。次のページでは「スランプ」について話を聞いた。