一卵性と二卵性の違い

2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することを多胎妊娠(たたいにんしん)といいます。2人の場合が双子(ふたご)で双胎(そうたい)妊娠といい、3人を品胎(ひんたい)または三胎、4人を要胎(ようたい)または四胎といいます。

一卵性は受精後に受精卵が偶然分かれたもの
双子には一卵性と二卵性があります。一卵性は、ひとりの赤ちゃんになる受精卵が、受精後に偶然2つに分かれたものです。一卵性の双子が生まれる確率は人種、時代に関係なく、1000組の出産に対して4組と一定です。
一卵性は、2人の遺伝子は同じです。生まれた時こそ体重差もありはっきりしないものの、次第に容姿はそっくりとなってゆきます。

二卵性は別々の組の卵子と精子が受精したもの
一方、二卵性は、2組の別々の卵子と精子が受精したものです。排卵を司る脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの量、人種、体質、遺伝、不妊治療などの影響によってもその頻度も変わります。日本では、一卵性:二卵性の比は長らく2:1と、一卵性がニ卵性の倍の頻度でしたが、不妊治療の普及により1980年代半ばより二卵性が増え、1990年代半ばには一卵性を逆転しています。
二卵性の場合は、2人の遺伝子は異なっているので、誕生日は同じでも、遺伝的には普通の兄弟、姉妹の関係と変わりありません。

 

一絨毛膜かニ絨毛膜かの膜性診断が欠かせません

低解像度

妊娠9週 一絨毛膜性双胎:ひとつの袋(胎嚢)の中に2人の胎児が見えます

ただし、双胎とわかったとき、まず確認しなくてはならないのは、一卵性か二卵性かの卵性ではなく、膜性といって一絨毛膜性かニ絨毛膜性かを診断することです(膜性診断)。胎盤がひとつか、ふたつかということで、通常、妊娠10週までには診断がつけられます。膜性診断がなぜ大切かといえば、双子の予後や妊娠管理は卵性でなく膜性によって違うからです。

胎盤がふたつのニ絨毛膜性は、2人の循環が独立していて、お互いの栄養や酸素供給は確保されているので、比較的予後が良好なのに対し、胎盤が一つの一絨毛膜性では、2人が循環を共有するので、栄養や酸素の供給が不均衡となりやすく、「双胎間輸血症候群」といって、ひとりが相手の分まで奪い取ってしまう状態にもなりかねません。さらに、2人は運命共同体となり、ひとりの調子が悪いと、もう一人にまで影響してくるので、ニ絨毛膜性と比較すると予後が悪く、より慎重な管理が必要となります。

さて、卵性と膜性の違いですが、二卵性は、胎盤がふたつになるので一般的にニ絨毛膜性と考えてもいいのですが、一卵性は、3分の2は胎盤がひとつで胎児が2人の一絨毛膜性ですが、受精後すぐに受精卵が分かれた場合は、2つの受精卵のある二卵性と変わらなくなり、ニ絨毛膜性双胎になります。逆から言えば、胎盤がひとつの一絨毛膜性は必ず一卵性ですが、ニ絨毛膜性は二卵性、一卵性の両方の可能性があるということになります。

多胎妊娠の最大の問題点は早産とそれに伴う低出生体重児

三胎の場合、その多くは不妊治療による妊娠です。やはり膜性診断が大切で(一、ニ、三絨毛膜性に分類)、双胎よりさらに密なケアで、20週代には安静目的で管理入院となります。ただし、不妊治療の進歩で、多胎妊娠、特に三胎はかなり少なくなってきましんた。

多胎妊娠の最大の問題点は、早産とそれに伴う低出生体重児です。胎児ひとり増えるごとに平均分娩週数は3週短くなるといわれていて、双胎の平均分娩週数が35.1週なのに対し、三胎32.7週、四胎では28.7週となります。(日本産科婦人科学会周産期委員会、1995年)

出産はほとんどが予定帝王切開に

多胎妊娠のほとんどのは、NICUなど、赤ちゃんをきちんと管理できる周産期センターで分娩するようになっています。

分娩方法も、双胎では、母児が順調で、先進の子どもが頭位であれば、経腟分娩も可能ですが、安全のため、現在は、ほとんどの施設では帝王切開が選択されるようです。三胎、四胎は帝王切開となります。

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※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、自己判断せず必ず医療機関に相談してください。