受精卵の着床により分泌されるhCGを調べる検査です
市販の妊娠検査キットを使うと、手軽に妊娠しているかを調べることができます。これは、尿中にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが含まれているか否かを調べて判定しています。hCGは、受精卵が子宮内膜に着床してからできる絨毛から分泌されるホルモンなので、陽性になるということは、着床しているということ、すなわち妊娠を意味します。しかし、妊娠の状況や検査のタイミングによって、正しい判定が出ないときがあります。
妊娠して生理が1週間遅れれば陽性に出ます
妊娠していれば、妊娠検査薬で陽性に出る
ただし、妊娠の極初期や月経が不順で排卵が遅れたときなどは、妊娠していても陰性と判定が出ることがあります。逆に、不妊治療の際に排卵を起こすために注射したhCGによって、妊娠していないのに陽性となる場合もあります。
妊娠検査薬を扱うことのポイントと注意点
- 使用する時期は予定月経日の1週間後からにしましょう。
- 取扱説明書をよく読み、正しい使い方で使用しましょう。よりわかりやすく、よりスピーディーに検査できるようになっていますが、結果がどう表示されるのか確認しておきましょう。
- タイミングによっては正しい結果が出ないこともあります。必ず医師の診察を受けて確認しましょう。
感度が高くなることで新たな問題も生まれてきています
ケミカルアボーション(化学的流産)
これだけ早く妊娠検査が陽性に出るようになると、早めに病産院を受診する方も増え、超音波検査をしても、子宮に胎のう(赤ちゃんが入っている袋)がまだ見えてこないことが多くなりました。通常、その後に胎のうが見えてくるのですが、子宮外妊娠や、ケミカルアボーション (化学的流産)も考慮しなければならず、1~2週間様子を見て、正常な妊娠かどうかを確認する必要がでてきます。◆ケミカルアボーション(化学的流産)
尿中のhCG測定で妊娠反応を認めたものの、胎のうが確認される前に月経様出血へ至ったもの。着床はしたものの、極初期に妊卵の発育がとまったもので、医学的には流産とはいいません。詳しくは「化学的流産(ケミカル・アボーション)とは」も参考にして下さい。ケミカルアボーションになる程度のhCGでは、かつての検査薬は反応しなかったため、いつもと少し違った生理?ととらえられていましたが、検査薬の感度が上がることで生まれてきた概念で、新たたな悲しみをもたらすことになりました。
ただ、ケミカルアボーションであっても、あなたのところにひとつの命が来てくれたことに変わりはありません。その時にはわからないかもしれませんが、きっとそれも意味のあることだと思います。
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