イカスミぎょうざで美術の授業を実現
売上の一部が伊江島の教育支援に使われるイカスミぎょうざ墨ちゃん。
イカスミだから黒い餃子かと思いきや、皮は普通に白く、中身が黒いんです。なんか意外ですね。学校給食での試食などを通し、伊江島の子どもたちの意見も取り入れて開発されました。くせの強くない味は誰にでも好まれそうです。
特筆すべきは、このユニークなパッケージ。沖縄県立芸術大学生がデザインしたものです。むむ? 餃子と芸大生になんの関係が? と思うかもしれませんが、それは売上の一部が、伊江島の子どもたちが美術の授業を受けるために使われるためです。
離島の小中学校は子どもの人数が少ないため、音楽や美術などの専門の先生は配置されないことが多いといいます。音楽であればピアノなどの楽器経験のある先生が対応することもできますが、美術は専門の先生でないと指導が難しく、島の子どもたちは専門の先生による美術の授業を受ける機会がありませんでした。
ならば、島に専門の先生を呼び、美術の授業をしてもらう資金を稼いでもらおうというのが、イカスミぎょうざ墨ちゃんに課せられた使命。代金298円のうち4円は伊江島に寄付され、子どもたちの教育支援として専門教師の派遣事業などに使われます。
伊江島のお店や、県内のコープおきなわ各店で買うことができます。県外の沖縄物産展に並んでいることもあるそうです。
地産地消型社会貢献で、地方を元気に!
今回ご紹介した商品は、地域でとれたものを地域で消費する地産地消の商品。特徴は売れれば地元が潤うだけではなく、さらに、その売上の一部を地元の人たちの課題に、還元しているという点です。沖縄の課題というと、珊瑚礁の保全や希少動物の保護、あるいは基地などの大きな問題が常にクローズアップされてきました。もちろん、それらも重要ですが、島には島ならではの悩みがあって、そういった声はなかなか聞こえてはきません。
南大東島の子どもたちが本が足りなくて困ってるなんて、考えたこともありませんよね。確かに大きな問題ではないかもしれませんが、子どもの成長に本は欠かせないもののはずなのに、それが圧倒的に足りないのは、親や先生はやっぱり、今すぐなんとかしてほしい課題です。
売上から支援に回る寄付金はほんの少しの額かもしれませんが、でも、商品が安定して売れれば、本が手に入るしくみができ、島の悩みも解消されます。
さらに、小さな課題が1つクリアできることで、地域の何かが変わるはずです。商品が売れれば、また新しい商品開発に乗り出すこともできますし、そのことによって島に新たな雇用創出ができれば、地域活性化にもつながるかもしれないと、そんないいこと循環の糸口にできるかもしれません。どこかで、見かけたら、ぜひ手にとってみてくださいね。