損害保険/損害保険関連情報

火災保険の必要書類。見積もりや契約時に何を用意?

とかく検討が後回しとなり、最終的には勧められるまま住宅ローン契約時の流れ作業のひとつとなってしまう火災保険の契約。でも、事前に商品の比較検討ができれば、もっとわが家に合った、しかも安心でお財布にやさしい契約ができます。これから先もずっと必要な火災保険こそ、事前に比較検討をしておきたいもの。見積もり時に必要となる書類を、ちょっと先回りしておさえておきましょう。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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見積もりに必要な情報は「住所」「建物構造」「延床面積」

見積もりに必要なのは「住所」「建物構造」「延床面積」

見積もりに必要なのは「住所」「建物構造」「延床面積」


とかく検討が後回しとなり、最終的には勧められるまま住宅ローン契約時の流れ作業のひとつとなってしまう火災保険の契約。でも、事前に商品の比較検討ができれば、もっとわが家に合った、しかも安心でお財布にやさしい契約ができます。これから先もずっと必要な火災保険こそ、事前に比較検討をしておきたいもの。見積もり時に必要となる書類を、ちょっと先回りしておさえておきましょう。

火災保険料を計算するにあたり、最低限必要となる情報が建物の「住所」「建物構造」そして「延床面積」です。これによって火災保険料は大きく変わってきます。

「住所」がわからないということはないと思いますが、「建物構造」と「延床面積」は、必要書類を確認しないとわからないこともあるかと思います。それらを確認できる書類の例をまとめました。
<住まいの構造が確認できる書類>
【一戸建ての場合】

・建築確認申請書(第1面~第5面)
・確認済証
・検査済証
・建設住宅性能評価書
・登記簿謄本・全部事項証明書(別途、外壁が確認できる書類が必要)
・仕様書・図面・パンフレット
……上記のいずれかでOK。

【マンションの場合】
・重要事項説明書
・登記簿謄本・全部事項証明書
・売買契約書
……上記のいずれかでOK。


<住まいの評価算出に必要な書類>
【一戸建て・新築の場合】
・建築工事の請負契約書(新築当時の建築費を確認することで、より適切な評価ができます)

これらがあると、保険料を計算する上で必要な情報が確認できるので、スムーズに正確な見積もりがとれます。火災保険料の見積もりを取る際には、まずこれらの書類をそろえてから臨みましょう。

 

木造でも耐火構造なら保険料が安く。ただし書類添付が必要な場合も!

なお、同じ木造建物であっても、その構造に応じてT構造、H構造の2種類の構造級別に分かれ、そのいずれに該当するかで保険料も変わってきます。T構造に該当した方が保険料は安くなり、これには「耐火建築物」「省令準耐火建築物」「準耐火建物」が該当します。

省令準耐火とは、建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅。枠組壁工法(ツーバイフォー工法)や木質系プレハブ等の建物、木造軸組み工法の建物などで該当するものがあります。ただし、すべてが該当するわけではないので注意しましょう。

2017年新築の東京都にある2000万円の建物の火災保険で比較してみましょう。

保険期間10年の年払いで、補償内容は火災・破裂・爆発・落雷と地震保険とした場合、T構造の年払い保険料は2万3900円。一方、H構造では4万500円と約1.7倍と、かなり大きな違いが生じます(保険料はセゾン自動車火災保険「じぶんでえらべる火災保険(保険始期日2017年10月1日)」にて算出)。

ポイントは、構造級別判定にあたり、T構造であると確認できる書類が必要なことです。たとえば、耐火建築物・準耐火建物ならば「建築確認申請書」、省令準耐火建築物ならば「省令準耐火」や「省令簡耐」などの記載がある仕様書やパンフレットなどで確認します。

新築の場合、書類がそろわないことは少ないと思いますが、注意が必要なのは中古住宅。実態が省令準耐火構造でも、書類により証明ができなければ、保険料は1.7倍になってしまいます。できる限り、確認書類も引き継いでください。

 

地震保険の割引も必要書類の添付が条件

地震保険料には最大50%の割引制度があります。東京の木造一戸建て・保険金額1000万円の場合、地震保険料は3万6300円の30%割引でも2万5410円と、1万円強も安くなります(2017年10月時点の保険料率、割引率で算出)。適用しない手はありません。ただし適用を受けるためには、こちらも同様、書類の添付が必要です。実態が割引の要件を満たしている場合でも、それを書類で証明することが必要です。

ところで、最近の住宅メーカーのホームページなどをみると住宅性能について「当社住宅は耐震等級3相当の耐震性能です」とアピールされていることがあります。耐震等級3ですと、地震保険料は30%割引に。ただ割引が適用されるためには、品確法に基づく住宅性能評価機関による評価を受け、住宅性能評価書の交付を受けておかなければなりません。つまり、メーカー独自の証明では割引は認められないのですが、「わが家は耐震等級3で割引が適用されるはず!」と勘違いしてしまう人もいるようなので注意が必要です。
 
■地震保険料の割引適用に必要な書類
「建築年割引(10%)」
……登記簿謄本・全部事項証明書 建築確認書 建築確認申請書 確認済証 検査済証 重要事項説明書 他社の保険証券 など

「耐震診断割引(10%)」
……耐震診断適合証明書 住宅耐震改修証明書 他社の保険証券 など

「耐震等級割引(10%・20%・30%)」および「免震建築物割引(50%)」
……住宅性能評価書 フラット35sの適合証明書 長期優良住宅の普及に関する法律に基づく認定通知書 他社の保険証券 など

【関連リンク】
保険会社によって火災保険の金額に差があるのはなぜ?
開きは5倍以上。建物と住所でこんなに違う火災保険料
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