洋風化で庇が小さくなってきた
新しい住宅街を歩くと、和風の家は少なく、洋風デザインの外観の家がとても多いですね。窓は引き違いが少なくなり、上げ下げや滑り出しなど、間口の小さな窓を採用している家が目立ちます。外観が洋風になることで、軒は浅くなり、窓の上部についている庇も小さくなりました。中には庇がまったくない家もあります。洋風の外観の家が増え、大きな庇のある家が少なくなってきました
「家の作りようは、夏をむねとすべし」という言葉を生み出した日本風土から考えると、日本の家には庇があったほうがいいのではないでしょうか。それだけ、庇には重要な役割があると思うのです。
庇は厳しい夏の日差しを防ぐ
庇が果たす重要な役割として、まず、挙げられるのは夏の日差しを防ぐということです。今年の夏は各地で記録的な暑さが続いていますが、庇は、暑さ対策にも少なからず効果があります。夏は太陽の位置が高いので、庇があると、家の中に夏の厳しい日差しが入り込むのを遮るからです。反対に暖かい日差しが恋しい冬は、太陽が低い位置にあります。そのため、庇があっても日差しが室内まで入り込むというわけです。
遮光カーテンでも日差しを遮ることは可能ですが、家の中に入れないことが何より大切ですので、よしずを窓の外に掛けるのが効果的です。
次のページでは、もうひとつの役割について見ていきましょう。