アリの巣や、その周囲にいる働きアリの動きを観察するのは子どものみならず、大人にとっても心楽しいものです。しかし自宅リビングやキッチンで、アリが徘徊していたり長い行列を作っているのを見て楽しめるという人はどれほどいるでしょうか。

家の中で(またはベランダで)発生してしまったアリは残念ながら不快害虫となります。発生・発見した時、どのように対処・駆除すべきか、今回はその基礎知識をお伝えします。

アリとは?

アリは「昆虫綱ハチ目スズメバチ上科アリ科」に属する

アリは「昆虫綱ハチ目スズメバチ上科アリ科」に属する

アリは少数の女王アリと多数の働きアリによる集団生活を営む、ハチに近しい社会性昆虫です。世界中の広範な地域で見られ、その多くは地中に巣を作って生活しています。

その殆どの食性は「肉食」(他の虫の死骸などをせっせと運んで食べる)ですが、アブラムシの尻から出る甘露や蜜、砂糖に集る「草食」「雑食」のアリもいます。


植木鉢やベランダに出るアリ

私たちの身近なところでは、子ども達にも馴染みの深いクロオオアリ(働きアリは体長10ミリ前後で黒色)が一番イメージしやすい「アリ」の姿かも知れませんが、鉢植え植物のアブラムシを牧畜してしまうなどの他は、クロオオアリによる住まい周りの被害は然程のものではありません。

トビイロケアリ(体長2~3ミリ前後で黒褐色)は、クロオオアリよりも身近に見られるアリです。郊外の草原から高層マンションの植木鉢までまんべんなく居り、時折キッチンの砂糖壷などに群がり人を不快な気分にさせます。ただ、それ以上の被害は特にありません。


人を咬むヒメアリ、イエヒメアリ

問題となるアリとは、近年高層マンションなどを含む一般の住宅内に侵入したり、飲食店等のある都市部のビルなどでも大量発生したり、人を咬むなどの被害を多くもたらすヒメアリ(体長1.2ミリ程度で黄褐色)や、全世界に分布を拡大している熱帯原産の外来種であるイエヒメアリ(体長2ミリ強で赤褐色)などです。

特にイエヒメアリは、甘露以外に人間の体液(医療施設の膿や血液など。院内感染予防の観点でも問題)に好んで集り、不快かつ衛生的な問題をはらんでいます。また人を咬んだり住まいの構造体に入り込んで営巣したり、さらには電気系統に営巣して故障の原因になるなどといった問題をも発生させています。住まいの周りで見たら、注意が必要です。