夫婦関係/セックスレスの対処法

セックス拒否の理由と断られる側の心理…セックスしない夫婦の実態

セックスしない夫婦にみられる、セックス拒否の理由、拒否するときに怒るような態度、断られた側の心理を紹介。夫が拒否する場合と妻が拒否する場合、両方のパターンで、夫婦関係にヒビを入れないセックスの断り方、断られ方についても解説します。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

セックスしない夫婦間に生まれる不協和音

セックスを拒否する側も拒否される側も傷ついている?

セックスを拒否する側も拒否される側も傷ついている?


夫婦両方が淡白であるセックスレスカップルの場合はいいのですが、どちらかがセックスを誘い、相手がそれを拒否することによってセックスレスになっている場合は、夫婦間に微妙な不協和音が生まれます。誘った方、断った方のそれぞれが、自分を正当化したり、相手を責めたり、逆に自分を責めたり、といった心理になることが、最後には結婚生活そのものを揺るがすことにもなりかねません。

では、セックスを拒否する側、あるいは拒否される側はどんな心理なのか。夫が拒否する場合と妻が拒否する場合、両方のパターンについて知った上で、夫婦関係にヒビを入れない断り方、断られ方についても考えてみましょう。
 
<目次>
 

セックスを拒否する側の心理・怒るような態度の原因は?

セックスを拒否する側の心理について。セックスを夫が拒否する場合、EDなど男性機能に起因する場合も

セックスを夫が拒否する場合、EDなど男性機能に起因する場合も


セックスを拒否する側の理由はさまざまです。「疲れている」「めんどくさい」「性欲がわかない」「異性として見ることができない」「(住宅事情等で)落ち着いてできない」などなど……。そして多くの場合、誘いを断ったことに罪悪感を持っています。

特に夫側で、セックスを断る本当の理由がEDなど男性機能に起因している場合、妻に対して申し訳ないという感情、また自信喪失から自己嫌悪に陥る場合があります。しかし、誰しも傷つきたくはないですから、誘った方への非難・中傷・侮蔑等で、相手を攻撃することにより、自分自身を守ろうとします。

妻からの誘いを拒否するだんな様がよく口にする、「淫乱」「お前は(暇だから)そんなことばっかり考えてるのか?」「排卵日じゃないからやる必要ないよ」といった妻を攻撃する言葉は、自らが傷つくことを避けようとする心理が働いていると考えてよいでしょう。

一方、妻側は男性と比べると、誘いを拒否したことにあまり罪悪感を持たない傾向も見られます。「セックスは、男性が誘ってリードするのが当たり前」「男性は常にセックスをしたがっているもの」「ナンパといっしょで、女性側に断る権利がある」と思いこんでいる妻の皆様もいます。

しかし、断られて傷つくのは男性も同じ。夫の拒否でセックスレスが続いているご夫婦の過去を探ってみたら、そもそもの原因は奥様の拒否でだんな様のプライドが傷ついたからだった、という例はよくあるのです。
 

セックスを拒否される側の心理

夫であれ妻であれ、セックスを拒否された場合のショックは相当なもの

勇気を出して自分の性欲を伝えたのに、それが否定されれば、相当ショックなもの


では、今度は拒否された側の心理を考えてみましょう。男性であれ女性であれ、断られれば心が傷つきます。セックスに限らず、自分から提案したことが断られることは心地よい体験ではありません。

たとえば妻が「明日、映画見に行かない?」という誘いを夫に拒否された場合、落胆したり、「誘うタイミングが悪かったのかな」などと反省したりするかも知れません。人によってはプライドが傷つくかもしれませんが、映画の誘いを拒否されたことで、自分自身を否定されたとまで思うことはないでしょう。

ところがこのお誘いが「今晩Hしない?」だったら、断られた側の傷は、映画とは比べ物にならないぐらい深くなります。断られた妻は、パートナーにとって自分はもう女としてみられていないのだ、愛されていないのだ、自分はもう価値のない人間なんだ、というところまで考えてしまいがちです。そしてその「無価値感」はパートナーとの愛情や信頼関係をも疑問視する姿勢につながってしまうこともあります。

また、性をタブー視したり、「性欲があること=はしたないこと、悪いこと」のような価値観の中で育った方の場合、そもそも「セックスしたがる」こと自体を「悪いこと」「恥ずかしいこと」のように感じ、自分の性欲を認めたがらない傾向があります。そんな方が勇気を振り絞って自分の性欲を伝え、それが否定されればそのショックは相当大きく、自らの性欲に対して一層罪悪感を持ったり、セックスそのものを嫌悪する心理にもつながりかねません。
 

夫婦間で傷つきにくいセックスの断り方、断られ方

「セックス拒否=パートナーの否定」ではありません。断られることもある、とおおらかな気持ちを持って

「セックス拒否=パートナーの否定」ではありません。断られることもある、とおおらかな気持ちを持って


しかし、断ったら相手が傷つくとはわかっていても、相手の誘いを100%受け入れられないこともあるでしょう。お互いに嫌な思いをし、やがてセックスレスに発展……なんてことにならないためには、どんな意識を持って、断る、あるいは断られるのがいいのでしょうか?

1つ目は性欲をタブー視しないこと。性欲は食欲と同じで、人間がもともと持っている本能です。性欲があることは恥ずかしいことでも悪いことでもありません。パートナーに対する愛情の表れと思い、相手に性欲があることをむしろ感謝するぐらいの気持ちが大事です。そう思えれば、相手をさげすむような断り方ではなく、むしろ「求めてくれてありがとう」という相手を思いやった断り方ができると思います。

2つ目はセックスだって断られることがある、とおおらかな気持ちを持ち、「セックス拒否=パートナーの否定」ではないと理解しておくことです。夫婦関係において、たしかにセックスは大事です。でもこれが愛情を測るすべてではありません。

「セックスを拒否された=愛されていない、異性としてみられていない、自分はパートナーとして存在価値のない人間だ」と、ネガティブ三段論法でどんどん自己否定をしても、夫婦関係にとってプラスなことはひとつもありません。

「セックスを拒否された=誘い方を変えてみる、日常での2人のつながりをもっと深める、誘う自分に磨きをかける」、というポジティブ三段論法で、前向きにとらえることが必要です。この考え方ができれば、断られる方も過剰に傷つくことを避けられるのではないでしょうか。

セックスも夫婦のコミュニケーションの1つ。パートナーとのコミュニケーションテクニックを、普段から磨いておくことも大切ですね。

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