「妻の性欲」を今さらですがまじめに考察

いくつになってもセックスの悦びを感じたい

いくつになってもセックスの悦びを感じたい

昨今、男性向け週刊誌、夕刊紙で中年男性の性の特集が盛んに組まれています。ガイドも「セックスレスは男だってつらい」や「セックス時の会話術」といったテーマで取材を受けることがあります。性のテクニックや精力をキープする方法など、セックスに関して細かに解説した記事に人気が集まるそうです。

長寿の時代、いかに夜の営みを続け、パートナーとの愛をはぐくめばよいかという点では前向きな特集ですが、はたと立ち止まって考えると、女性側の身体と気持ちは置き去りになっていないかと心配になることがあります。

女性は30代後半になってくると子供も成長し、落ち着いて自分の身体に向き合う時期になります。私が運営する夫婦仲相談所では、子育て中はがむしゃらに家族のために生きてきたが、子供の手が離れた時に「もしかしてセックスレス?と気づき、不安になった」「やっと自分の時間が持てるようになったら、長い間、夫を“父親”としてしか見ていないことに気づいた」「産後、夫の誘いを断っていたら、いつのまにか誘われなくなっていた」というような、意見が数多く寄せられます。セックス回数、頻度の減少に不安を感じ始めるのです。

そんな不安を抱えながら40代を迎え、今度はこの世代特有の更年期障害や、身体の乾きに直面するようになります。久しぶりにパートナーに誘われても、その気になれない、痛みを感じて集中できない、夫の自己中心的な動きにあきれる、という寝室事情の不協和音が出てきます。

一方、年齢を重ねてから性欲が高まり、疲れている夫の淡泊なセックスでは満足できないという対極の方々も出てきます。

このように、「セックスはもう卒業」と思う女性と「これからまだまだセックスを楽しみたい」と思う女性と、大きく二極化する傾向にあるのが中年女性の性なのです。

40代からの性との向き合い方

「婦人公論」別冊の「快楽白書2012」 780円

『婦人公論』別冊の『快楽白書2012』

メディアでは「アンチエイジング」や、「美魔女」という言葉が飛び交い、年を重ねても若く見える妻になろうと元気づけてくれますが、体力や容貌が衰えているのを一番わかっているのは女性自身です。

最近、肌がかさかさで、白髪も出てきて、「ああ、おばちゃんになってきた……」と思い始めているときにパートナーから「中年太りか?」というたぐいの言葉をかけられたり、ベッドで無視されたりすると、ますます性に対して自信がなくなります。そしてこのまま閉経してしまうともう女性としては終わりなんだ、という間違った焦燥感すら出てきます。

パートナーに一生、女性として愛されたいという切なる想いと、誘われてもボディラインや性の機能に自信がないという想いが錯綜する40代、50代女性たち。そんな人に言えない悩みを抱えながら、晩年に性と向き合う事の難しさを男性方にも気づいていただきたいなと考えていたところに『快楽(けらく)白書2012』が目にとまり、ページをめくりました。

長い歴史を持つ『婦人公論』の別冊として世に出た1冊ですが、出るたびに大反響を呼び、2012年で第6弾となったそうです。本書はまさに、私が取り組んでいる熟年の性のテーマに合致するものでした。

私の人生にセックスは必要、という人は80%

人生にセックスは必要?

人生にセックスは必要?

『快楽(けらく)白書2012』は、「閉ざしきれない心とからだ」というキャッチコピーで現代の中年女性の不安や、性への想いを調査し、数値とコメントでわかりやすく示しながら、女性の気持ちを細部にわたり、ぐっと掘り起こしています。

巻頭の読者アンケート企画では『婦人公論』の読者258人の赤裸々な回答が提示されています。私も独自に調査を行い、「よいセックスをしている女性は年齢を重ねると、性感度は高まり、性欲は強くなる」という論を出しましたが、まさに快楽白書でもその結果が出ています。

ずばり、「人生にセックス、または性的な快感は必要ですか」というストレートな問いかけに「YES必要」と答えた方は80.0%。そうです。容貌や身体は衰えていきますが、性の重要さに関しては意識している女性が圧倒的に多いのです。

そして注目を集めるセックスレス問題。「夫、パートナーとのセックスレス」に関してはセックスレス1~10年が22.7%。11年以上は14.3%。合計37%。とはいえ、日本性科学会の定義にあてはめると49.8%になります(注釈:日本性科学会の定義は「1カ月性交渉がないこと」)。

厚生労働省の2011年度調査年結果は調査年齢層が16~49歳で、セックスレス夫婦は40.8%です。いずれも4割超えですが、セックスレスだからよいとか悪いとかを評価するものではありません。大事なのは、妻と夫がそのことをいかにとらえているかという点です。

「産後は性欲がなくなり、お誘いを一度断ってから10年間セックスレス、別にしたくないから楽でいい」「気持ちよくないし、めんどくさいからしなくていい」という人もいれば、「40代になって、まわりのママ友がまだセックスしてると聞いて焦った。実は私も性欲があるのに」という人もいます。その人それぞれの考え方なので、自分で指針を決めるのが重要です。

熟年になってこそ性欲が高まる妻もいることに気づいて!

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40代主婦の赤裸々なコメントにドキリ

『快楽白書2012』で、ドキリとさせられたフリーコメントは、「息子の出産後2~3回セックスした気がするが、15年間セックスレス。でも、私の性欲は今が一番強い(45歳主婦)」です。

私は日々たくさんの女性の方のセックスレス相談を受けます。性欲の強弱は、過去のその方の性遍歴、自己開発に連動すると考えています。からだと心の性的開花は、その人次第ということです。

どんな男性とお付き合いするか、結婚するかも関わりますが、結果、各個人が選んだパートナーという見方をすると女性の性の欲求は生き方によって二極化するのです。よって、男性方にはご自分のパートナーが、性を封印してしまったタイプか開花して性欲が高まってきたタイプかをよく理解し、向き合っていただきたいのです。

身体が辛い、その気になれない妻やパートナーに対して「週刊誌で特集されてたから、ガンガンやるぜ!」と強要しても苦痛になってしまいます。逆にあふれくる性欲をどうしようと悩んでいるパートナーに対して「俺、疲れてるから無理」と言って背中を向けて寝てしまうこともまた“罪”になります。

夫婦で寝室事情に関して語り合うことは少ない我が国ですが、セックスレス問題がこれだけ話題にあがる時代ですので、まじめに夫婦間の話題として取り上げてみてください。

そして、女友達にもなかなか話せない性の悩みや不安は『快楽白書』を開くことで「ああ、同世代の女性は、性についてこういうふうに考えてるんだ」「私だけじゃないんだ」と再認識したり、共感できると思います。ぜひ手に取ってみてください。

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