鎌倉投信の考える「いい会社」選びの三つのポイントとは?
ガイド: 「人」「共生」「匠」とは?鎌田社:まず「人」についてですが、障碍者や高齢者を含めた人財を活かせる会社です。人を大事にする会社は、社員のモチベーションが高いんです。例えば、年間140日を超える休日や残業ゼロを図りつつ、一方で「常に考える」文化を社内に根付かせている未来工業(株)はその代表格です。何のためにこの仕事をするのか、自分がどう成長できるのか、そうした大義を感じることができる会社の社員はやる気が違います。反対に社員のモチベーションが低い会社は利益があげにくく、事業が持続的に拡大・成長していくことが難しいのです。
ガイド: 成長の原動力は社員のモチベーションということですね。では「共生」とは?
鎌田社長: 「共生」とは、循環型社会を創る企業、ということです。環境、自然エネルギー分野や、農業、林業といった第一次産業などにおいて優れた取り組みを行う会社です。例えば、リサイクルや林業再生事業などを行っているアミタホールディングス(株)の取り組みには注目しています。また当社は、ここにしかできない独自のやり方で、地域に新しい良質な雇用も生み出しています。その他、有機・低農薬野菜の宅配事業を行っている会社や、地域を大切にする米菓メーカーなども、この「共生」をテーマに投資しています。
ガイド: 新しい雇用の創出という点もポイントなのですね。では、三つ目の「匠」とは?
鎌田社長: 「匠」とは、付加価値の高い独自のサービス、技術を持っている企業です。例えば、ニッチな分野で非常に高い利益率を誇る工作機械部品メーカーの(株)エーワン精密の他、ニッチな市場で世界シェアの半分近くを獲得するなど、匠の技術で国内や世界で高い競争力を持つ会社に投資しています。
ガイド:そのようにして選ばれた会社と投資家、運用会社の3者が集まるという「受益者総会」をこの7月に開かれて話題になりましたね。
鎌田社長: 受益者総会は基本的には結い2101の決算説明等のためのものですが、受益者のお金がどのような理念のもと、どんな会社に投資され、どのように社会で活かされているのかを知ってもらい、それが自分の資産形成にもつながっていくというお金の循環を体感してもらいたいと考え企画しました。いい会社と投資家を結ぶ役割を担い、「顔が見える投資」のあり方を追求したいと思います。
投資で成功するコツ
ガイド: 最後に「投資で成功するコツ」について投資家にアドバイスをいただけますか?鎌田社長: アドバイスは難しいですが、私の個人的感想としては、まず、「長く続けること」だと思います。利益の源泉とは「新しい付加価値を生む力」です。創造性が高い会社というのは成長が長く続くと期待できます。ゆっくりとした事業の成長ペースに添う腰を据えた投資を行うこと。そのためにも「自分が何に投資しているのか」をちゃんと意識できるもの、信頼できるものに投資することが大事ですね。
また、運用成果に影響する「コスト」も大事な要素です。内容がいい商品でコストができるだけ安いものを選ぶということです。
そしてやはり「分散投資」です。一点集中の投資はリスクが大きいので、なるべく資産を分散させることを心がけたいですね。
ガイド: まず長く続けること・・・価値のある会社を見定め、じっくり腰を据え、温かい気持ちで成長を見守るのが、本来の投資のあり方ということですね。鎌田社長、どうも有難うございました。
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鎌田社長のお話から、一人ひとりが自分のお金の行き先に関心を向けることで、日本の社会や経済はより豊かに発展していける、という熱い思いが伝わってきました。
「結い 2101」が大きくなれば、それだけ良い会社が日本に増えていきそうです。100年先を見据えた鎌倉投信の新しい試みに、今後も大いに注目していきたいですね
【参考】
・鎌倉投信