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夏休み推薦読書3『うさぎドロップ』

シリーズ最後の夏休み推薦読書第3回目。今回はちょっと一服気分でマンガのご紹介です。保育園児の女の子が重要な登場人物の『うさぎドロップ』。設定が無茶なようで、親近感溢れます。

猪熊 弘子

執筆者:猪熊 弘子

子育てガイド

酷暑といわれた今年の夏も終わります。夏休み中続けてきたこの「園ママ読書シリーズ」。1回目『子どもへのまなざし』、2回目『おさなごを発見せよ』と格調高い育児本を続けましたが、ラストの第3回目はちょっと一服気分でマンガのご紹介。保育園児の女の子が重要な登場人物の『うさぎドロップ』刊(宇仁田ゆみ・作)です。

30歳独身男が園児と生活?

『うさぎドロップ』宇仁田 ゆみ(著) 税込980円
いわゆる「育児マンガ」は相変わらずの人気。でも、この『うさぎドロップ』は、普通の育児マンガとは一線を画しています。というのも、主人公は母親ではなく、30歳独身男の大吉くん。大吉は亡くなった祖父の葬儀で、なんと「隠し子」と思われる6歳の女の子と出会います。祖父の娘……ということは、自分の叔母!? 母親は行方不明で行き場がなくなったりんを、大吉は引き取って一緒に暮らすことに。

とはいえ、30歳独身。子どもを抱えてどうやって生活すればいいのか、最初は見当もつきません。まずはりんを保育園に預けることからスタート。りんとの生活を優先させるため、夜遅くなりがちだった前の部署から比較的楽な部署に異動まで申し出ます。

いきなり生活を替えてみると、あれ?…意外と子どもがいる生活って楽しいと思う大吉。最初は「信じられない!」という目で大吉を見ていた職場の人や家族も、次第に大吉の生き方を受け入れていきます。そして、なかなか他人に心を開かないりんも、大吉や大吉の家族に打ち解けていきます。

そして、最大の懸案はりんの母親を探すこと。大吉と家族は、祖父の遺品からりんの母親の手がかりを捜し求めて行くのですが……。

園ママだって、最初は大吉と同じ

「いきなり『叔母』にあたる女の子を引き取るなんていう設定が強引なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、よくよく考えてみれば子どもが生まれてから経験することは、誰にとっても「初めて」のことばかり。実は私たちだって、大吉のようにさまざまな壁にぶつかりながら、子どもを育てているんだと気づかされるはずです。

読んでいるうちに、ほのぼのと心が癒されて穏やかな気分になれるマンガ作品です。夏の疲れを癒すために、ぜひ読んでみてくださいね。



<関連リンク>
園ママ読書シリーズ1『子どもへのまなざし』
園ママ読書シリーズ2『おさなごを発見せよ』

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