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英語保育のプリスクールは幼稚園?保育園?

最近話題の「プリスクール」。英語教育を目玉とした就学前の子どものためのスクールですが、制度上はどのような位置づけになっているのでしょうか?【子供のための英語】ガイドの清水さんにお話をうかがいました。

執筆者:吉森 福子


最近話題の「プリスクール」。英語教育を目玉とした就学前の子どものためのスクールですが、制度上はどのような位置づけになっているのでしょうか?【子供のための英語】ガイドの清水さんにお話をうかがいました。

日本の幼稚園と保育園の違い

「英語ができる子どもに育てたい!」という親のニーズは、年々高まっているようです。
最近の英語教育熱の高まりを受けて、人気の集まる「プリスクール」。【子供のための英語】ガイドの清水万里子さんによると、「プリスクール」とは「英語保育を行う保育施設の総称」のこと。日本での幼稚園・保育園にあたるものです。

しかし、幼稚園と保育園はどちらも就学前の子どもを対象にした施設ですが、それぞれ役割が違います。

■幼稚園…文部省管轄の教育施設
     満3歳児以上(2歳児クラスを設けている園もある)が対象
     原則として1日4時間の保育時間(「預かり保育」を行う園もある)

■保育園…厚生労働省管轄の福祉施設
     0~1歳から(園による)
     多くの認可園では、最大11時間ほどが開所時間

そして、最大の違いは「保育園は、保護者の仕事や学業、病気などの保育に欠ける理由がなければ入園できない(認可保育園の場合)」ということです。そのため、「保育園=働く母親の子ども」「幼稚園=専業主婦の子ども」というのが一般的なイメージです。

では、英語保育を行う「プリスクール」は、幼稚園・保育園のどちらにあたるのでしょうか?

保育時間からみる:幼稚園なみ

プリスクールの保育時間は、「午前中だけ(ランチなし)、またはランチを食べて1~2時位まで」というところが多いようです(【子供のための英語】記事「英語保育の一日スケジュール」より)。ここだけ見れば、これはまさに「幼稚園」の時間割に近いですね。

「延長保育」として夕方近くまでの保育を行うスクールもありますが、これも幼稚園の「預かり保育」と同じようなものだと思われます。保育時間からすると、「プリスクール=幼稚園」説が有力です。

保育料からみる:「お受験」幼稚園なみ?

気になる「プリスクール」の保育料ですが、同じく清水さんによると「年額100万円を超えるスクールが多い。関東地区の有名スクールの平均は、月額8~16万円。」とのこと。一般の幼稚園では「平均月額2~3万円」ということを考えると、かなり高めですね。

「お受験」の対象となるようなある有名私立大学付属幼稚園の保育料を調べてみると、初年度納入金の合計が120万円でした。この点から考えると、プリスクールは「有名私立幼稚園なみ」というイメージに近づきます。

一方、「月額8万円ほど」というのは、認可外保育園の場合でもそのくらいの額になることはあります。しかし、その多くは1日12時間以上預けるような場合。「保育時間が4~5時間で月額8万円以上」となると、やはり「私立有名幼稚園なみ」という感覚がぴったりでしょう。

母親の生活スタイルからみる:教育熱心な専業主婦が多い

「プリスクールに子どもを通わせる母親は、教育熱心な専業主婦が多いようです。」とは、同じく清水さんの弁。「延長保育」を利用すれば働く母親でも通わせることは可能ではあるけれど、そうした例はあまり多くないようです。

清水さんの記事「5歳でペラペラ!驚きの教育法」によれば、母親が保育時間もずっとスクールにいるようなところもあるよう。こうしたスクールでは、母親が仕事を持ちながら子どもを通わせるのは難しいと思われます。

「プリスクール」の多くは、認可外保育園

ここまで見たところ、「プリスクール=幼稚園」というイメージが濃厚でした。ところが意外なことに、「日本のプリスクールは、制度上は日本の幼稚園・保育園ではありません。ほとんどが認可外保育園に当たります。」というのが清水さんの説明です。

インターナショナルスクールが日本の小学校という制度ではないのと同じように、プリスクールもあえて日本の幼稚園・保育園というかたちをとっていないのではないか、と考えられます。

ただ、プリスクールによっては、単なる英語塾の延長に過ぎない施設もあります。清水さんは「認可外保育施設として、市町村に届出がきちんとなされているところを選ぶべき。届出がされていないところは問題外です。」と言います。

幼児期の貴重な時間を過ごすのですから、「英語教育」だけではないきちんとした「保育」のノウハウを持っている施設を選びたいものです。

普通の私立幼稚園が「プリスクール」に変身する例も

また、清水さんによると「最近では、日本の認可幼稚園で英語保育に切り替えるというところもでてきています。」とのこと。この場合は“英語保育が特色の認可されている私立幼稚園”というわけですね。ちなみに、公立ではまだそうした例はありません。清水さんの記事「バイリンガル環境で育つ園児たち」では、そうした例が紹介されています。

依然として待機児の多い保育園に比べて、幼稚園は地域によっては「余り気味」といわれています。そんな中で、「英語保育」という付加価値をつけることで生き残りをはかろうとする園は、これからも増えていくのかもしれません。

幼稚園・保育園に求めるものが多様化する現在、幼稚園・保育園の枠組みを超えたニーズに応える選択肢のひとつとしての「プリスクール」。これからどのように広まっていくのか、興味深く見守っていきたいと思います。

気になるプリスクールの費用と実態については
→ 裕福な家庭だけ?プリスクールの費用と実態【子供のための英語】





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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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