3つのエピソードと5つのキーワードがポイント
「モンテッソーリメソッドってどんな教育法?」に引き続き、モンテッソーリメソッドについて勉強したいと思います。

モンテッソーリを語るには、3つの有名なエピソードと5つのキーワードがポイントとなってきます。

医師から教育者へ

教育者マリア・モンテッソーリは、「子どもの観察」から教育法を確立しましたが、実は、19世紀、イタリアで初の女性医師となった人物でした。その医師であるモンテッソーリが、どの様にして教育者となっていったのでしょうか。

エピソード1「医療と教育が合体した療育の誕生」

ある日、モンテッソーリは子どもを治療するために、ローマのある精神病院を訪れました。当時の精神病院は治療らしい治療が行われず、発達遅滞児たちは鉄格子に囲まれた暗い部屋にただ監禁されるという状況でした。

その時、モンテッソーリは、子ども達が床に落ちたパン屑を拾い集めている姿に目を留めました。そして、注意深く観察し、子ども達がパン屑を拾うのは、空腹を満たすためではなく、知的な刺激を本能的に求めているのだろうと確信しました。

これがきっかけとなり、モンテッソーリは、発達遅滞児の治療の一つとして、モンテッソーリ教具の原型となるはめ込みパズルを使い始めますが、この医療と教育が合体した療育は大きな成果を収めました。

さらに、モンテッソーリは、この教育法は健常児にも有効だと確信し、誕生したのが、健常児対象の教育施設「子どもの家」です。

エピソード2「『集中現象』の発見」

 
 
モンテッソーリは、ある日、「円柱さし」の作業をしていた3歳ぐらいの女の子に注目しました。

彼女は、この幼い子が強い興味を持って練習を幾度も繰り返していることに気付き、その女の子の作業の回数を数え始めました。

また、集中力の強さを確かめようと、周りに居る子ども達にわざわざ大きな声で合唱させて、周囲を歩かせたりもしました。それでも、その女の子は、何も気づかない様子で、作業を続けていたのです。

さらに、女の子の座っている椅子ごと持ち上げて、テーブルの上に置いたりもしましたが、もとに戻されると、何事もなかったかのように作業を続けたそうです。その女の子は、彼女が数え出してからでも、42回続けました。それから、夢から覚めたように止め、達成感に満ち溢れた、嬉しそうな表情で微笑みました。

彼女は、やがて、このような現象が、すべての子どもに共通であることに気付きました。それは幼児の本質的特徴で、「集中現象」と名づけられました。

 




エピソード3「鼻のかみ方を丁寧に教える」

ある日、モンテッソーリは子どもたちに「鼻のかみ方」を教えました。「鼻をかむ時はね・・・」そう言って、わかりやすく、順序立てて実際にやって見せました。すると、子どもたちが一斉に大きな拍手を贈ったそうです。

子どもたちはいつも大人から、鼻のかみ方を教えてもらっていないのに、ただ、「鼻をかみなさい」と注意されるか、大人にかんでもらうかだったのでしょう。だから、自分1人で鼻をかむ方法を教えてもらった子どもたちは嬉しくなって、思わず大きな拍手をしたのでしょう。

この出来事がきっかけとなり、彼女は、日常生活の活動を子どもに丁寧に教えることが大切だと気付きました。