「国際幼児教育フォーラム」 |
韓国における子育て事情
前回の中国の子育て事情に引き続き、今回は、韓国のM.ムン氏(韓国保育教育研究所)が発表された出生率1.13に対する国を挙げての子育て支援策をご紹介します。多くの先進国で見られるように、韓国も低い出生率や高齢化社会の問題に直面しており、働く母親達の子育てと仕事の調和に取り組んでいます。子育てはもはや個別の家族の責任だけではなく、韓国の政策において優先順位の高いものとなっています。
少子化の背景
雇用条件の悪化による経済的不安から女性の経済活動が活発になってきていることや、結婚年齢の上昇による出産忌避現象が背景になっており、2005年には出生率1.08を記録しました。2006年の出生率は、支援策の効果が現れ、6年ぶりに増加に転じ、1・13に回復しましたが、依然として世界最低水準で少子化問題は深刻です。生涯学習の土台としての幼児教育、あるいは、社会的投資としての幼児教育に社会的な注目が集まっています。こうした背景のもと、韓国政府は全省庁で広範な支援を保護者に提供しています。
全省庁の支援策の例
・不妊治療の医療費支援・自然分娩時の本人負担診療費免除
・未熟児及び先天性代謝異常児への医療支援
・乳幼児の発達検査
・6歳児未満児童への入院支援
・子女養育費・教育費・医療費・保険料の所得控除
・国営公共住宅の供給
・体外受精の費用支給
・産休手当て・流産手当て
・子どもを養子に迎えた場合の支援
・育児休暇可能期間の拡大 1歳未満→3歳未満
・育児期労働時間の短縮
・出産・育児女性労働者雇用企業への採用奨励金支給
・低所得者層への支援 Hope Start,We Start その他
今後の方向と課題
・両性平等な社会の構築・男女の家事分担
・父親の家事育児支援
・フレックス勤務制
・職場に保育施設運営
<神戸親和女子大学国際幼児教育フォーラム資料より>
>>次は、今回のフォーラムの総括です。>>
神戸親和女子大学教授の横山ひろみ先生にお話をうかがいました。