2年連続、志願者数減少
募集コースを限定して入試を実施する医進系コースが人気
2010年度の関西圏(兵庫県・大阪府・京都府・奈良県・和歌山県)の私立中学受験は、1月16日の統一入試日に一斉に行われました。受験者数と募集人員を比較すると、大阪府では初めて統一入試日の受験者数が定員数を下回りました。
大阪府の成績上位者は、北野高校や天王寺高校に代表される高い大学進学実績の公立高校が多数あるため、従来から公立上位高校への進学を希望する傾向が強かったのですが、経済不況の中、公立高校の授業料無料化や橋本知事が掲げるエリート10校構想による公立高校の飛躍への期待感が私立中の受験回避に繋がったようです。
大阪中堅私立中学・高校は公立に対抗するため、難関大学進学に向けた特別コース、医進系コース、理数系コースなどの設置や、男子校・女子校の共学化など、受験者確保に向けた取組みをしています。
公立高校優位の大阪府にあっても、大阪星光中学、四天王寺中学、清風南海中学、高槻中学などの難関私立中学だけではなく、特別選抜コースを設置した中堅私立中学においても、難関大学へ多数の合格者を出しているのです。
例えば、特別選抜コースとして理IIIコースを設置している清風学園(清風中学・清風高校)は、2010年の大学入試では東京大学、京都大学に27名の合格者を出し、スーパー理数コースを設置している開明(開明中学・開明高校)は、京都大学に13名の合格者を出すなど、難関国立大学への合格実績を伸ばしています。