「うまい、早い、安い」から「付加価値のあるデザイン」へ
失われた10年も、とうに過ぎ随分と長い間停滞の日本経済。特に筆者が生業とする住宅・インテリア業界は燦々たる状態だ。だが、此処にきて面白い現象が起きている。
観光だけが目的ではなく、「日本製品」を求め、「日本の不動産」を求め、連日増加する中国人ツアー客のニュース。買って、買って、買いあさっている・・・ウン十年前の日本人を彷彿させる勢いだ。
しかし、以前の日本人のそれと何処か異なる気がする。「日本の○○」、「どこそこの○○」、「テレビでみた○○」・・・つまり、独自性やストーリー性のあるモノを求めている。
これは世界の工場と呼ばれた「中国」が、巨大マーケットへ変貌しつつある状況で、ただ単に「うまい、早い、安い」から「付加価値のあるデザイン」が、今後益々モノづくりの重要なキーワードになることを示している。
「付加価値のあるデザイン」、「これから求められるデザイン」・・・とくにインテリアデザインではどんなコトだろうか?
キーワード:『インテリア未来』が目に止まった!
社) 日本インテリアデザイナー協会(JID)が主宰する、デザインセミナーのタイトルである。
セミナーは、1958年に日本室内設計家協会として結成され、2008年創立50周年を迎えたJIDが、企画立案。
2008年より2009年春まで1年間にわたり展開して来た記念事業のうち、2008年10月に記念出版された書籍 『日本 デザイン 50年』のサブ テーマでもあった “Next Design” を指向し、今回新理事長となったデザイナー:喜多俊之氏が渡航した1960年代後半のイタリアの暮らし体験から今日までのデザイン論、そしてこれからのインテリアデザインを語る。
「インテリア未来」と題し、ゲストに有限会社トネリコ代表の米谷ひろし氏を迎え、喜多氏と本音を語るトーキングセミナーである。