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AQUOSデザイン:喜多俊之が語る「インテリア未来」(2ページ目)

石川尚の【気になるデザイン】シリーズ。デザインセミナー「インテリア未来」が開催される。シャープ「AQUOS」のデザイン、そして国際的に知られるデザイナー:喜多俊之氏の語る『インテリア未来』、その内容とは?

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド


喜多俊之デザイン、シャープの「AQUOS」

さて
ここで、喜多俊之氏をご紹介しておこう。

喜多氏は、世界で活躍するデザイナー。喜多氏のデザインから生まれた「プロダクト(製品)」は沢山あるが、特に慣れ親しんでいるプロダクトといえば、シャープの「AQUOS」。

シャープundefined「AQUOS」

                                                   シャープ 「AQUOS」


アクオス(AQUOS)とはシャープの液晶テレビを中心とした映像関連機器のブランド。ブラウン管TVから液晶の薄型TVにいち早く着手したシャープの大ヒット商品TV(2000年登場)である。
鋭角な画面に曲線と曲面をプラスし、観る為の「道具」と化したTVに生物的でユーモラスな表情を与えた。「AQUOS」は、「愛嬌のある」TVとして人々の心に刻んだデザインだ。
現在もそのシリーズは続いている。

日本人らしい発想から生まれたWinkチェア

次になんと言っても、喜多氏の代名詞:「 Wink」。

ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクション に選ばれたカラフルな色合いのデザインソファ:Cassina「 Winkチェア」。
構成するパーツが、まるで生き物のように動き、心地よく身体を支える椅子だ。

Cassinaundefined「 Winkチェア」

                                                  Cassina 「 Winkチェア」

Winkチェアを通して「日本人の発想と価値感」の原点を垣間みる喜多氏のある講演の一部をご紹介しておこう。

『まず、1980年に最初の作品が出来ました。
ウインクチェアという私の大ヒット製品になった思い出の椅子です。1980年ミラノで発表しました。アイデアにしたのが4年前の1976年だったんです。その前に「イタリア人が考えつかないものをデザインして。日本人にしかできないアイデアを」って、言われていたんです。どういうことなんかなあってずっと考えてました。

ある日、ポコンッ!とアイデアがひらめいた。こどものころ、自然の多い環境で暮らしていました。椅子と机というのは学校だけで、家では和式でちゃぶ台、文机、座布団で勉強してたんです。家にはソファ はなかったんです。そういう椅子という概念のないところから出発したのでこんなデザインができたんじゃないかと……。(実は)出来上がってみるとあまりに もポップすぎてヒットすると思わなかった。でも、当時の開発ディレクターは「喜多、これは売れるよ」って真剣な顔で言うんですよ。試作をアメリカへ持って行くと、(この椅子を見た)アメリカ人が目を輝かしたって。こういうふうに自動車の部品を使って、あちこち動くという椅子はほとんどなかったんですね。社長が「日本人らしい」と言ってくれました。


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