事例で検証~年金額の計算(2)
共働き夫婦でも共働き期間の長さで年金額に差が出ます
会社員D介さんは昭和45年4月生まれの40歳です。大学卒業後現在の会社に就職し、このまま定年まで勤務する予定です。妻のE子さんは、昭和49年4月生まれで大学卒業後は子どもが生まれる平成16年3月(30歳)までD介さんと同じ会社に勤務していました。E子さんは、子どもが大きくなったら扶養の範囲で仕事をしようかと考えていますが、正社員として再就職するつもりはありません。D介さんとE子さんの年金加入歴と今後の加入見込みは以下のようになります。 D介さんとE子さんは、60歳までの保険料納付済期間が厚生年金と国民年金の加入期間を合計して37年になる予定です。老齢基礎年金の見込額はともに732,700円です。
D介さんのこれまでの加入実績(17年間)による老齢厚生年金の年金額は、ねんきん定期便より397,900円です。定年までの20年間の平均収入を55万円と仮定すると、今後の加入見込みによる年金額は723,500円(=55万円×5.481/1000×240月)です。さらに、D介さんは配偶者のE子さんが専業主婦なので、65~69歳まで加給年金が396,000円支給されます。合計すると、65~69歳までの老齢厚生年金の見込額は1,517,400円(100円未満四捨五入)、70歳以降が1,121,400円となります。
E子さんの30歳までの厚生年金の加入期間による老齢厚生年金の年金額は、ねんきん定期便より126,200円で、今後厚生年金に加入する予定がないのでこの金額が将来の年金額になります。
D介さんとE子さんの老齢年金の見込額は以下の通りです。
会社員F雄さんと妻G絵さんはともに昭和45年4月生まれの40歳です。2人は大学卒業後民間企業に就職し、定年までずっと共働きを続ける予定です。F雄さんとG絵さんの年金加入歴と今後の加入見込みは以下のようになります。 F雄さんとG絵さんは、60歳まで厚生年金に加入するので保険料納付済期間が37年になる予定です。老齢基礎年金の見込額はともに732,700円です。
F雄さんのこれまでの加入実績(17年間)による老齢厚生年金の年金額は、ねんきん定期便より388,800円です。定年までの20年間の平均収入を50万円と仮定すると、今後の加入見込みによる年金額は657,700円(=50万円×5.481/1000×240月)です。F雄さんは共働きなので加給年金は支給されません。合計すると、老齢厚生年金の見込額は1,046,500円(100円未満四捨五入)となります。
G絵さんのこれまでの加入実績(17年間)による老齢厚生年金の年金額は、ねんきん定期便より346,000円です。定年までの20年間の平均収入を48万円と仮定すると、今後の加入見込みによる年金額は631,400円(=48万円×5.481/1000×240月)です。合計すると、老齢厚生年金の見込額は977,400円(100円未満四捨五入)となります。
F雄さんとG絵さんの老齢年金の見込額は以下の通りです。
反対に、フリーランス夫婦のB彦さんとC美さんは年金の加入期間のほとんどが国民年金のみなので、夫婦の年金額を合計しても独身で会社員のA子さんの年金額を下回る予定です。フリーランスや自営業者は厚生年金に加入できないので、厚生年金にあたる2階部分の年金を自分で準備する必要があります。公的年金と同様のメリットがある国民年金基金を利用したり、民間の個人年金に加入するなど早めに準備するとよいでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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