ボランティア/ボランティアの基本

ボランティアのマナーとルールの基本!

ボランティアだって、最低限守りたいマナーとルールがあります。世間の非常識は、ボランティアだって非常識なことを忘れずに。1人でがんばりすぎずに、無理なことは、他のボランティアに「助けて」「手伝って」といえることも活動を長く続ける秘訣といえます。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

ボランティアのマナー……世間の非常識は、ボランティアだって非常識

ボランティアのマナーとルール

ボランティアのマナーとルール

ボランティアは個人の意志に基づいた行動です。無理をしてまで参加する義務はありません。参加するもしないも自由ですが、「○日に行きます」という約束をすっぽかす。引き受けた仕事を途中で放り出す。連絡もしないで勝手にやめる。こういった行動が他の人に迷惑をかけてしまうのは、いうまでもありません。

「やります」といったからには、責任が生じます。「来る」と約束をした人を待っている人がいますし、無責任に放り出したことが、活動をしている団体の信用性に関わることだってあるのです。約束を守るのはもちろん、仮になんらかの事情でキャンセルするときはできるだけ早く連絡するのは、最低限のマナーです。世間の非常識は、ボランティアだって非常識なことを忘れずに!
 

ボランティアにも守秘義務がある!

ボランティアにも守秘義務が生じます。名簿やアンケート結果などの個人情報の取り扱いを慎重に行わなければいけないのは、ボランティア活動においても同じです。

活動の種類によっては、深刻な相談を受けるなどのプライバシーに関わることもありますが、これも軽々しく口にすることも、もちろん、御法度です。
 

ボランティアをされる側の気持ちを尊重することが大切

「ボランティアを相手も喜んでくれている」と実感できるのはボランティア活動の大きな喜びの1つです。でもときにはそれが押しつけになっていないか、「やってあげている」と上から見下ろすような姿勢になっていないかどうか、自問自答をすることも必要です。

たとえば自分が年老いて介護が必要となったとき、それを「嬉しい」と思えるでしょうか。もちろん介護をしてくれる人への感謝の気持ちは沸いてくるでしょう。そう思いながらも、内心は「自分のことは自分でしたい」と、複雑な気持ちになるのではないでしょうか。介護を受けながらも「余計なお世話だ」と、うっとうしく思う人だっているかもしれません。ボランティアをされる側にも、様々な思いがあることも忘れてはいけないのです。

さらに「喜んでくれているはず」という思いばかりが強くなると「ボランティアしてあげている」という横柄な気持ちになったり、自分の方が立場が強いと勘違いしてしまいかねません。相手が何を求めているか、どう考えているかを尊重しながら行動を考えていくことが大切なのです。
 

ボランティアには「待ち」の姿勢も大切

前の項目に関連しますが、ボランティア活動は効率だけを重視するのではなく、ときには「待ち」の姿勢も大切です。

障害をもつ人のケアや、高齢者の介護など、誰かが「してあげる」よりも「自分でできる」を待ったり、一見無駄に思えるおしゃべりにつきあったりといったことを大切にしなければならない場合も少なくありません。逆にボランティアが、何でもテキパキと進めてしまうことで、残っている身体の機能を使う機会を失うこともあるのです。

ボランティアに大切なのは、必要なときに手をさしのべることなのです。一見非効率に思えることでも、相手のペースに合わせて「待ちの姿勢」が必要な場面がたくさんあるといっていいでしょう。この点が、収益が最優先とされる企業の“仕事”との最大の違いといえます。
 

アツイ思いも度がすぎると大迷惑!

ボランティア活動を長く続けるためには、テーマへの興味関心や、問題意識を持つことが不可欠です。でも思いが強すぎて周囲が見えなくなったり、誰の言葉にも耳を傾けずに1人よがりになってしまってはいけません。

そんな人が「私がこの活動を引っ張っていく」といっても、他の人は誰もついてこないでしょう。参加する人同士が歩調を合わせ、協力しん合わないと、活動をスムーズに進めることが難しくなってしまいます。そもそも「私にはあんな風にできないから、ボランティアは無理!」と、参加する人たちに敬遠されてしまいかねません。

活動にのめり込み過ぎると、何でも自分で抱え込む傾向もあります。仕事こなせずパンク!あげくの果てに「燃え尽き症候群」に陥って、活動からフェイドアウトなんてこともよくあるんですよ。そうなったら、周囲は大迷惑ですよね!

ボランティアは互いに支え、支えられる"お互い様"が大切な活動です。これはボランティア同士にもいえることなのです。1人でがんばりすぎずに、無理なことは、他のボランティアに「助けて」「手伝って」といえることも活動を長く続ける秘訣といえます。

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