「南向き」は本当にいい?
これまでの話で「南向き」より「東向き」「西向き」がいいと言っているわけではありません。やはり、南向きの部屋はメリットが豊富。ただ、どうしても南向きにこだわる必要はなく、東向きや西向きにも南向きにないメリットがあるということを知っておくことは大切です。
前述した通り、人間の身体は朝日を浴びることで、体内時計が働くと言われています。目覚めのときに朝日を浴びると、1日を気持ちよくスタートすることができますが、南向きの部屋には朝日は入りません。気持ちよく目覚められるのは、東向きの部屋。
また、部屋数が多い間取り(3DKなど)になると、南向きのリビングに対し寝室として使える洋室が北側にありますが、この部屋はジメジメしやすくカビも発生しやすくなります。
日中、部屋で過ごすかどうかによって日当たりを重視するといい
「南向き」と表記されている物件でも、目の前に高層マンションや建築物が建っている場合には、いくら南向きであっても日当たりが悪くなってしまいがち。また、1階の部屋で目の前に道路があるといつも人の目線を感じてしまうため、せっかくの南向きの恩恵を十分に感じられないことも。南向きであっても、日が当らない部屋もあるのです。
南向きのデメリットは賃料
日本の風習では、洗濯物や布団を外に干すことを好むため、南向きの部屋は人気が高くなりますが、その分賃料は高め。日本賃貸管理業協会(日管協)の「家賃査定ハンドブック」には、物件が持つ付加価値をプラスマイナスの点数に換算し、これを家賃に反映させる方法が記載されています。(詳しくはこちら→「家賃」決定の裏側をすべて公開!シリーズ 家賃はどう決まる?第4回)
開口部の方位によって付加価値がどのように変わるのかを図にしてみると、以下のよう。角部屋はそれだけで付加価値が高いのですが、東西南北で見てみると南向きは+5の価値に対し、北向きは-10~-20。+5ならもとの賃料より5%高く設定できるという数字ですが、南向きよりも北向きのほうがマイナス割合は大きく、賃料は相場より1~2割安く借りられます。
日本の風習では、洗濯物や布団を外に干すことを好むため、南向きの部屋は人気が高くなりますが、その分賃料は高め。少し考え方を変えて南向き以外にも検討してみると、部屋探しの幅が広がります。ライフスタイルに合わせて、東向きや西向きの部屋も検討してみてはいかがでしょうか。
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